ロシアの「弱さ」の表れ
ロシアがこうしたパートナーシップに依存していることは、同時に、より根本的な弱さも示している。ロシアが「キューバや北朝鮮、あるいはアフリカや中央アジアの国々から兵士を調達しているのは、弱さ、ことによると切羽詰まった状況の表れです」とモティルは言う。「プーチンは、ロシア国民が犬死にするのをますます嫌がっているのを理解しています。だからこそ、代わりに外国人に戦わせ、死なせているのです」
ウクライナのニュースメディア、バベリによると、ウクライナで拘束されている捕虜は7月時点で外国人(ロシア人を除く)が49%を占めている。2022年にはその割合は1%にすぎなかった。ウクライナ安全保障・協力センター(USCC)のセルヒー・クザン会長は筆者のインタビューで「外国人新兵の補充がなければ、ロシアはおそらく攻勢作戦を維持することができないでしょう」と語った。
ロシアが外国人戦闘員の調達で依存している国々は、伝統的なパートナー国の枠をはるかに超えている。ブルームバーグ通信の2024年6月の調査報道によれば、何千人ものアフリカ人留学生や出稼ぎ労働者がロシア軍に加わっており、拒否すれば国外追放すると脅されていた。民間軍事会社のワグネル・グループが先鞭をつけた手法を用いて、ロシア当局は若いアフリカ人や中央アジア人にウクライナでの戦闘を強要し、その多くが前線で壊滅的な損害を被っている。
英紙テレグラフの今年6月の調査報道で、さらに陰惨な実態が明らかになった。困窮したアフリカ人たちが「シャンプー工場」などの架空の求人でロシアにおびき寄せられ、到着すると拘束されて軍に強制的に入隊されていた。ウクライナ側の捕虜になったカメルーンやセネガル、ジンバブエ出身の兵士数十人は、工場や調理場での仕事を約束されていたのに、実際には1週間の訓練後に前線へ送られたと証言している。
武器・技術・経験を共有する「枢軸」の形成
こうした外国人戦闘員への依存は、たんなるマンパワーの問題にとどまらない。それはロシア、北朝鮮、イラン、ベネズエラ、そしてキューバを結ぶ軍事的な枢軸関係の拡大を浮き彫りにしている。そして、これらの国々の間では、武器や技術を互いに提供し合い、戦場での経験を共有している。


