習慣6 「体と心のための時間」をスケジュールに入れる
多くのリーダーは、ビジネス上のあらゆるアポイントメント、電話、会議、出張を入念に計画する一方で、自身の健康に関する計画は軽視しがちだ。しかし有能なCEOは週末のワークアウト、リセット系のセッション、食事管理、時差対策、予備の睡眠時間、仕事とは関係のない個人的な優先事項をスケジュールに組み込む。
これらを譲れないものとして明記することで、自己確認はもちろん、周囲にも体と心の健康への投資が高いパフォーマンスの基盤であることを示せる。
習慣7 新鮮な視点を得るための情報収集
情報をシャットダウンする時間は必要だ。しかし有能なCEOは、週末を「新しい視点」のための時間に充てる。それは歴史、哲学、芸術、科学、詩、異業種の専門家からの声など、普段は触れることのない多様な知識を得るための時間だ。
この習慣の目的は、情報量を増やすことではなく、「異なる種類の情報に触れること」である。学術誌フロンティアズ・イン・サイコロジー(Frontiers in Psychology)に掲載された研究によると、学際的な新しい刺激に触れることは、創造性と多角的思考の向上につながるという。
こうして意図的に収集された情報は、自身をエコーチェンバー(思考の偏り)から抜け出させ、新たな洞察を生み、他者が見逃す視点に気づかせる。地道な努力ではあるものの、この習慣が強力な差別化要因を生み出す力となる。
まとめ 週末の習慣は「強力な戦略」だ
事業の成功と失敗は紙一重で、経営者の一挙手一投足にかかっている。だからこそCEOをはじめとする幹部の「週末」は単なるガバナンスからの逃避ではなく、それ自体が「強力な戦略」となる。
有能なリーダーは土日の48時間を何となく過ごしたりはしない。週末は活力を養い、精神力を高め、密かに優位性を築くための時間だ。こうして戦略としての週末を過ごした月曜日のCEOは、誰よりもエネルギッシュに働く準備が整っている。


