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2025.10.12 16:00

残り3カ月は助走期間、2026年の飛躍を実現する「10月理論」 2つのポイント

Shutterstock.com

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毎年10月になると自己啓発の世界では不思議なことが起こる。「オクトーバーセオリー(10月理論)」が密かに話題になるのだ。10月理論とは、1年の最後の3カ月を、古い目標を達成するための必死の追い込みではなく、新しい目標を立てるための助走期間として使うことを指す。

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やり方は簡単だ。10月は「評価」に、11月は「目標」を定めるのに、そして12月は「目標を習慣化」するのにあてる。年が明けて1月になる頃には「新しい年、新しい自分」の高揚感が2月にはバーンアウト(燃え尽き症候群)へと激変する前に、すでに実生活で新年の誓いを試している。

簡単にいうと、10月理論はパニックに陥るのではなく意図を持って準備するよう呼びかけている。来年本当にやり遂げたいことについて考える時間が得られ、一方で1月1日だけが魔法のリセット日だというプレッシャーからも解放される。多くの人にとって10月理論は変化に備えるためのより穏やかで思慮深い方法なのだ。

だがそれだけでは完璧な手法ではない。10月理論は誰にでもできるもののように聞こえるが、実際に目標を維持するのに役立つ、心理面での2つの基本を見落としているためにつまずく人が多い。これらの真実を見落とせば、10月に完璧な計画を練ることはできても、綿密に練った戦略は春には崩れてしまうだろう。

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そこで、2026年に向けて10月理論に飛び込む前に、取り組みを確実に定着させられる根拠ある2つの方法を紹介しよう。

1. 意志力を限界あるリソースとしてとらえ直す

10月の計画段階には「ジャンプスタート」の感覚がともなうため、その瞬間に感じた意志力は無限に続くと思い込んでしまう。

10月は蛍光ペンや新しいノートを頻繁に手にし、すべてが可能に感じる純真に近い熱意に満ちている。だが1月に入り、長時間の仕事や夜ふかし、そして避けられない挫折を経験すると疲労に襲われ、計画開始時の奮起はかき消されてしまう。

これはコントロール能力の自然な低下だ。心理学者クリストフ・リンドナーらが主導した最近の研究では、数学と科学の3つの非常に長い試験(それぞれ140分)を受けた職業訓練生2000人以上を観察した。どんなに頭がよくても、あるいは準備万端でも、時間の経過とともに誰もが精神的に疲れていった。集中力や意志力は一貫して低下した。

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翻訳=溝口慈子

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