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2025.10.10 07:15

AIを「ほぼ毎日使う人」の6割が社会的意義を重視する理由

Getty Images

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AIをよく使う人の6割は、仕事の社会的意義を重視する傾向があるという。AIに定型業務を任せることで、人間にしかできない仕事、つまり社会的価値の創出への意識が高まるというのだが、本当だろうか。

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ヘルスケア業界に向けた経営コンサルティングなどを展開するスターコネクトは、生成AIの利用と社会的意義などに関するアンケート調査を行った(有効回答数500)。それによると、ほぼ毎日AIを使う人は約6割が「社会的意義を重視する」と答えた。AIを使わない人の場合は3割程度に留まった。

また約6割が、AIには代替できない仕事があると答えている。そのトップは「人の気持ちを理解し、共感や支援を行う」仕事だ。さらに「利害の異なる人々との調整や合意形成」、「新しい企画やアイデアの創出」と続く。これらの仕事は、社会課題の解決に通じ、社会について考える機会を与える。そのために社会的な関心が高まり、社会貢献を考えるようになるというわけだ。

そのように人間は解釈する。ではAIはどう思うのか。人の仕事を奪うかもしれないChatGPTの言い分を聞いてみた。するとChatGPTは、「AI を導入することで、定型的・反復的な仕事(データ入力、集計、単純判断など)は自動化・効率化され、その結果、人間に残される仕事は、創造性・対人性・価値判断が問われるものになる」との仮説を出してきた。人は自分の仕事を「社会に役立っている」、「意味あるものだ」と感じたい欲求を持つため、仕事の社会的意義に関心が向くのだという。

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また、「自動化による仕事の喪失」が心配されるので、自分の仕事の意味を高めるために社会に貢献する仕事が選ばれやすくなる。さらに、さまざまな社会課題の解決にAIが使われることで、そうした分野の技術者や研究者が増えて、業界全体の意識変化が起きる、ということだ。つまり、AIもこの調査結果を支持しているわけだ。

スターコネクトの代表取締役CEO水本洋志氏はこの調査結果を、「 AIに任せられる領域と、人間にしかできない“共感・対話・創造性”の領域を切り分ける新しい働き方=ソーシャルキャリアの広がりを示しています」と分析している。裕福、貧困、極右、リベラルと社会が分断される現代、AIが今もっとも欠如している人々の「共感」を高めるきっかけになるのか、大いに期待したい。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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