韓国のサムスン電子とSKハイニックスの株価は、10月2日の市場でともに急騰した。これは、両社が米国の人工知能(AI)大手OpenAIが主導するAIデータセンタープロジェクト「スターゲート」を支援することが明らかになったためだ。
サムスンとSK、OpenAIの74兆円規模「スターゲート」参画
サム・アルトマンCEOが率いるOpenAIは1日、サムスングループ、SKグループ、韓国の科学技術情報通信部との一連の戦略的パートナーシップを発表した。これは、OpenAIが主導する5000億ドル(約74兆円)規模のAIデータセンターインフラ「スターゲート」の構築を支援するものだ。今年1月に始動したスターゲートには、すでにエヌビディアや、ソフトウェア大手のオラクル、ソフトバンク傘下の半導体設計会社アームなどが参加している。
SKハイニックス株が過去最高値、サムスン株は4年ぶり高値を更新
SKハイニックスの株価は、2日の市場でほぼ10%上昇し、終値で史上最高値をつけた。サムスンの株価は約3.5%上昇して、4年ぶりの高値を記録した。
今回の提携は、スターゲートのオペレーション向けの先進メモリーチップ供給や、韓国内データセンターの構築を目的としており、各社は意向表明書や基本合意書(MOU)に署名した。サムスングループからはサムスン電子、サムスンSDS、サムスン物産、サムスン重工業などが参加する。SKグループからはSKハイニックスとSKテレコムが関与する。
アルトマンは、このパートナーシップの発表にあたり「韓国には、優れたテック人材、世界トップレベルのインフラ、強力な政府の支援、そして活気あるAIエコシステムなど、AI分野の世界的リーダーとなるための条件が揃っている」と声明で語った。
OpenAIの高帯域幅メモリー需要は業界生産能力の2倍以上
サムスン電子とSKハイニックスは、世界最大級のメモリーチップメーカーであり、AIデータセンターを支える高帯域幅メモリー(HBM)を生産している。SKハイニックスはエヌビディアへのHBM主要サプライヤーだ。両社とも、OpenAI向けにカスタムAIチップを製造するブロードコムにもHBMを供給している。
両社は共同でOpenAIのメモリー需要に応えることを目指す。その需要は、月間最大90万枚規模のDRAMウェハーに達すると予測されている。「この需要は、現在のHBM業界の生産能力の2倍以上に相当し、スターゲート計画が半導体需要を爆発的に押し上げていることを示している」とSKグループは声明で述べた。
韓国大統領府の金容範(キム・ヨンボム)首席秘書官は、OpenAIが2029年までにこれらのウエハーを発注する見込みだと地元メディアに語った。



