オオヒキガエル――共食いで個体数抑制
動物の個体数が、利用可能なリソースに基づく収容力を超えるとき、共食いは、個体数を制御する自然作用となることがある。つまり、個体数を持続可能なレベルまで減少させるのに役立つわけだ。オオヒキガエル(学名:Rhinella marina)は、この現象を見事に体現している。
オオヒキガエルは中南米原産だが、主にサトウキビ畑の害虫駆除のため、世界各地に移入された(1920年代にフロリダ州とプエルトリコ、1932年にハワイ、1935年にオーストラリアへ移入された)。そして、他地域に導入されるたびに、在来生態系に大損害をもたらしてきた。
これは何よりも、本来の捕食者がいないせいで、繁殖に歯止めがかからないことによるものだ。オオヒキガエルは、侵入地域で急増して過密状態になり、有害生物と化す。しかし幸い、彼らは個体数抑制の効果をもつ行動を進化させた。
2022年3月に学術誌『Ecology and Evolution』に掲載された論文によれば、オオヒキガエルの成体は、自種のオタマジャクシを捕食するだけでなく、オタマジャクシが捕食者から身を守るために分泌する毒を、逆にオタマジャクシを獲物として発見する際の手がかりにしている。
この共食い行動は、個体密度を制御するのに役立ち、環境中の限られたリソースを、捕食を免れた個体に十分に行き渡らせて、生存を助けるよう作用する。自然界ではまれな行動だが、過密な環境での、個体数を抑制する生得的な手段として進化したものだと考えられている。
共食いは、動物の暮らしと生存戦略を垣間見ることができるユニークな機会だ。過激な手段に思えるかもしれないが、ここで紹介した動物たちによる共食いは、環境変化をものともせずに繁栄する、彼らの驚くべき能力を裏づけている。


