過去の政府閉鎖は短期で終了、株価には上昇効果も
LPLファイナンシャルのチーフテクニカルストラテジスト、アダム・ターンクイストは1日付のメモで、政府閉鎖は市場に「新たな不確実性の層」をもたらすものの、通常その影響は短期間にとどまり、経済への影響は軽微だと指摘した。ターンクイストによると、過去50年間の閉鎖は平均で8日間続いた。2018年12月から2019年1月にかけての34日間の閉鎖時には、S&P500は約10%上昇した。2013年10月の16日間の閉鎖では、S&Pに約3.1%の上昇をもたらした。しかし議会予算局(CBO)の推計によると、その閉鎖では経済成長に30億ドル(約4400億円)の損失が生じ、すぐにそれが回復することはなかった。ターンクイストは、投資家は今後数週間で企業収益や経済全般の動向を優先視するだろうと述べた。
経済指標の公表に影響
また、政府閉鎖は、FRBが10月28日に開く金融政策決定会合に向けた重要な経済指標の公表に影響を及ぼす可能性がある。労働省は先週、労働統計局が閉鎖中の期間は「すべての業務を停止する」と発表し、閉鎖期間中に予定されていたデータは公表されないとした。これには、3日に予定されていた非農業部門雇用者数や失業率の発表、および15日のインフレ報告も含まれる。
7年ぶりの政府閉鎖、上下院の対立で責任の押し付け合い
米国政府は、1日午前0時過ぎに2018年から2019年にかけての35日間の閉鎖以来、初めて閉鎖に突入した。上院で暫定予算決議案の可決に失敗したためだ。この決議案は、11月21日まで既存の予算のもとで連邦政府を運営し、閉鎖を回避するものであった。下院はすでに共和党支持の提案を可決していたが、上院での採決には少なくとも民主党7人の支持が必要だった。
上院院内総務のチャック・シューマー(民主党・ニューヨーク州)は、共和党が「米国民の医療を守ることに反対したため閉鎖を引き起こした」と非難した。一方、ドナルド・トランプ大統領、下院議長のマイク・ジョンソン(共和党・ルイジアナ州)、および共和党幹部らは、責任は民主党にあると主張している。ホワイトハウスのウェブサイトには閉鎖の経過を示す時計が表示され、「民主党が政府を閉鎖した」との字幕が流れている。


