欧州

2025.10.02 09:00

ロシアのジェット推進式新型ドローン「ゲラニ-3」を解剖 対応急ぐウクライナ

ジェットエンジンを搭載したロシアの新型攻撃ドローン(無人機)「ゲラニ-3」の3Dモデル=ウクライナ国防省情報総局(HUR)のウェブサイトより

ジェットエンジンにはコスト面以外に、航続距離でもデメリットがある。ターボジェットは第二次世界大戦期にさかのぼる単純で基本的な構造のジェットエンジンであり、効率はよくない。現代の旅客機は一般にターボファンを採用しており、より多くの空気を取り込み、同じ燃料量でより長い距離を飛ぶことができる。ゲラニ-3の航続距離は1000km程度と推定され、1500km以上飛行できるプロペラ推進式よりもかなり短くなっている。

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日本企業の部品も

ジェットエンジンを除くと、ゲラニ-3は最新の高性能シャヘドと共通の装備をしている。具体的に言えば、アンテナ素子12個の対ジャミング航法装置、カメラ、通信システムなどだ。

これも先行するモデルと同様に、ゲラニ-3は輸入部品や密輸部品に大きく依存している。HURは「特定された外国製部品45個のうち、およそ半数は米国メーカーのもので、8個は中国、7個はスイス、3個はドイツ、2個は英国、1個は日本のメーカーのものだった」と説明している。

たとえば、燃料ポンプはドイツのボッシュ製、FPGA(書き換え可能な集積回路)は米インテル製だった。

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弾頭は既存の50kgの「TBBCh-50」が採用されている。これは建物に最大限の爆風効果を与えるサーモバリック(熱爆風)爆薬と、殺傷半径数百フィート(1フィート=約0.3m)の炸裂破片として機能する9mmの金属球が詰まった本体からなる複合効果弾だ。

カメラ(詳しい情報は公表されていない)とデータリンクにより、ゲラニ-3は目標地域の情報を送り返し、命中したかどうかの視覚証拠も提供できる。戦術目標に対する大型FPV(一人称視点)攻撃ドローンとしても運用可能だ。実際にシャヘドがそのように使われたという報告があり、こうしたドローンを戦略作戦から戦術用途に転用すべきかどうかをめぐって議論も交わされている。

シャヘドvs.迎撃ドローン

これまで、シャヘドのかなりの割合は機動防空部隊が機関銃や機関砲で撃ち落としてきた。しかし、ジェット推進式ドローンに対しては彼らはもっと苦戦するかもしれない。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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