欧州

2025.10.02 09:00

ロシアのジェット推進式新型ドローン「ゲラニ-3」を解剖 対応急ぐウクライナ

ジェットエンジンを搭載したロシアの新型攻撃ドローン(無人機)「ゲラニ-3」の3Dモデル=ウクライナ国防省情報総局(HUR)のウェブサイトより

数百万円の中国製ジェットエンジン

HURの報告によると、「ゲラニ-3」と呼ばれるこの新型ドローンは中国のテレフライ(Telefly、深圳翔浩通訊設備)製「Telefly JT80」ターボジェットエンジンを搭載している。このエンジンによって時速300〜370kmのスピードが出る。

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これまでウクライナで目撃されていたジェット推進式シャヘドの速度は時速約480kmと推定されていたので、それよりもかなり遅いということになる。巡航速度が520kmと推定されているシャヘド238に比べると、さらに遅さが際立つ。

性能が見劣りするのはおそらくコストが原因だろう。レクリエーション用の航空機がプロペラ駆動なのは理由がないわけではなく、ジェットエンジンは高性能なだけに値段が張るのだ。JT80は以前、中国のアリババの電子商取引サイトで1万8000ドル(約260万円)ほどで販売されていたが、現在は購入できなくなっているようだ。ほかの情報源によると、JT80の価格は最高で3万ドル(約440万円)程度とされる、ちなみにアリババでは同等のエンジンが1万5000〜2万ドル(約220万〜290万円)ぐらいで見つかる。シャヘド238はチェコ製ジェットエンジンを搭載するとされ、このエンジンはJT80のほぼ2倍の推力を生み出すものの、価格も格段に高い(7万9000ドル=約1200万円=という値札を付けている販売業者もある)。

JT80を搭載すると、2024年時点で1機およそ5万ドル(現在の為替レートで約740万円)と見積もられていたシャヘドのコストは40%ほど高くなる計算だ。このあたりが価格と性能のバランスとして許容可能な水準ということなのだろう。

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JT80を搭載するゲラニ-3は、従来型のほぼ2倍の速度が出る。飛行速度が速くなると撃墜の難易度は上がり、ドローンの波がレーダーで探知されてから迎撃に入るまでの対応時間も大幅に短くなる。近距離の迎撃では、防御側は以前の半分ぐらいの弾数を撃つ程度しか時間的余裕がなくなり、その間にドローンを仕留められなければ、射程外に逃げられるか、もしくは自分たちのほうに突っ込んでこられることになる。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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