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2025.10.02 11:00

米国の年金だけで快適に暮らせる「イタリアの7地域」──月約15万円からとの新報告

アブルッツオ州(Shutterstock)

ウンブリア州(Umbria):月1400ドル(約20万8000円)から

お勧めの理由:ウンブリア州は、中世の村が点在する緑豊かな景観からイタリアの「Green Heart」(緑の心臓)と呼ばれる。ローマとフィレンツェの双方から道路・鉄道で良好にアクセスできる中部に位置し、トスカーナなど周辺の地域に比べて観光色が薄い点をInternational Livingは挙げている。オルヴィエート、スポレート、トーディのような町は、真正の小都市の雰囲気を持つ。地域の祭り——Umbria Jazz(ウンブリア・ジャズ)や Spoleto Festival(スポレート・フェスティバル)——が文化的彩りを添える。

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費用:International Living によれば、単身者は月1400〜1600ドル(約20万8000円〜23万7000円)、夫婦は1700〜1900ドル(約25万2000円〜28万2000円)でゆとりある生活ができる。不動産価格も手頃だ。賃貸アパートは月410ドル(約6万1000円)から見つかる。購入する場合も、チッタ・デッラ・ピエーヴェやナルニのような丘上の町で、魅力的なアパートが12万5000ドル(約1853万円)未満で出ることが多い。日常の物価も隣のトスカーナより安い。例えばカプチーノはウンブリアでは約1.50ドル(約223円)、国境の向こうのトスカーナでは約1.90ドル(約282円)。トリュフのパスタはウンブリアで約12ドル(約1780円)、トスカーナでは約17ドル(約2520円)だ。

トスカーナ州(Tuscany):月1500ドル(約22万3000円)から

お勧めの理由:「引退後の生活に、なだらかな丘、黄金色の光、そして夕暮れ時のキャンティのグラスを思い描くなら、トスカーナ州は夢の実現かもしれません」と International Livingは記す。ここで手頃に暮らす鍵は、フィレンツェやシエナのような高コストの場所を避けることだ。アレッツォ、ピストイア、ルッカ、ヴォルテッラといった都市・町に目を向ければ、より合理的な費用でトスカーナの暮らしを楽しめる。

費用:International Livingによれば、単身者は月1500〜1700ドル(約22万3000円〜25万2000円)、夫婦は2000〜2300ドル(約29万6000円〜34万1000円)で快適に暮らせる。月600ドル(約8万9000円)未満のアパートが見つかることもあり、田園地帯の趣ある石造りの家を6桁(10万ドル、約1480万円)未満の価格で購入できる場合もある。医療費もお得で、平均月額はわずか41ドル(約6100円)だ。

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リグーリア州(Liguria):月1500ドル(約22万3000円)から

お勧めの理由:「海を望む景色と陽光降り注ぐ遊歩道に憧れる退職者には、リグーリア州は有力候補です」とInternational Livingは言う。フランス国境からトスカーナまで延びるこのリグーリア海岸(「イタリアのリヴィエラ」とも呼ばれる)の一帯には、インペリア、キアーヴァリ、レーリチ、ラ・スペツィアのような町がある。同誌によれば、この地域は地形と海の影響により、北イタリアで最も過ごしやすい気候となっている。医療の質も高く、公共交通も充実しているため、車がなくても暮らしやすい。

費用:International Livingによれば、単身者は月1500〜1700ドル(約22万3000円〜約25万3000円)、夫婦は2000〜2300ドル(約29万6000円〜34万1000円)を見込むとよい。ラ・スペツィアのような都市では、生活費が米国に比べて約50%低いとの試算もある。2ベッドルームの賃貸は月1000ドル(約14万8000円)未満から見つかることが多い。日常の出費も妥当で、カプチーノは約3ドル(約445円)、ワイン付きの三品ディナーは2人で約90ドル(約1万3300円)だ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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