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2025.10.05 16:15

レストランでのクーポン利用は恥ずかしい?

Getty Images

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シチュエーションに違いはあるものの、レストランでクーポンを出すのが恥ずかしい、またはカッコ悪いと思う人はほぼ5割。とくに「気になる」人との会食では、そんな気持ちが強くなるようだ。

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リクルートの外食市場研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が全国の20〜60代の男女1035人を対象にクーポンの利用に関するアンケート調査を行った。クーポンを使う自分だけでなく、同席者が使う場合も恥ずかしい、カッコ悪いと感じる人は全体の半数に近かった。

調査では、恥ずかしいと感じる11の理由を提示し、当てはまるものを選んでもらった(複数選択)。そこで1つ以上選んだ人の割合を算出したところ、45.7パーセントとなった。1つも選ばなかった人、つまり恥ずかしいと思わない人のほうがわずかに多いのだが、半分の人が恥ずかしいと思っていることは、せっせとクーポンを発行している側にしてみれば残念な話だろう。

理由のトップは「同席者にせこいと思われそうだから」だった。44.6パーセントというダントツの1位だ。2位は、ほかの人が使ってないのに自分だけ使うのが恥ずかしい、3位は会計に手間どる、4位は同席者にかっこつけたい、5位は場違いに感じるなどいろいろだが、ハッキリ言っておもに「見栄」だ。

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そのため、相手によって気分は大きく変わる。誰とどこで食事して誰が支払うかという、シチュエーションごとに尋ねると、恥ずかしいと感じる1位は、気になる人(たぶんお付き合い前)とレストランに行き自分が支払うときだった。とくに上位では、支払うのは自分が多く、相手は「気になる人」と「付き合いの短い恋人」が目立つ。そんなケチな見栄を張ったところで、相手が受ける印象はそう変わらないだろう。むしろ見栄を張る人だと思われるほうが損だ。割引をフイにしてダブルの損だ。

「ホットペッパーグルメ外食総研」研究員の田中直樹氏は、個別のシチュエーションでは男女あわせて3割を超えるものはなく、3人に2人は気にしていないと分析している。また、相手が使うぶんには気にならないが、自分が使うときだけ恥ずかしいという人が多いとも指摘している。クーポンを使うのは恥ずかしいと思っているのは、案外自分だけのようだ。

周りの目を気にしすぎる日本人の悪いクセ。店がクーポンを発行して集客しているのだから、何はばかることはない。たしかに、会計の際に恐る恐るクーポンを見せて「これ使えますか?」と聞くのはストレスだ。店の人から「クーポンありますか?」と聞いてくれたら助かる。そうすれば、「クーポン? ああ、たしかあったはず……」とかさりげない様子で、本当は前からガッチリ用意しておいたクーポンを出すという流れならば、見栄っ張り君の面目も保たれよう。ただし、「これウチのじゃありません」って言われちゃったらもう笑うしかないが。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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