バウンドレス・イミグレーションのシャオ・ワンCEOは、この新手数料を「人間への関税」と表現し、トランプが外国からの輸入品に高関税を課したのと同様だと述べた。「この国がその方向に進んだのは初めてだ」と語る。23日には、トランプ政権がH-1Bの抽選制度を大幅に変更し、高度人材や収入の高い人を優先する「加重選抜方式」を提案した。ビザの需要が通常の8万5000件を超える場合(通常は超える)、上級職の外国人従業員により多くの優先権が与えられる。こうした変更とその不確実性は、米国で高等教育を受けようとする学生の減少につながる可能性もある。
これに対し、カナダや中国などは要件の緩和や新しい種類のビザ創設などで人材獲得を狙っている。「他国がこの空白を埋めるだろう」とワンは語った。
欧州に人材が残ることによる波及効果も考えられる。欧州では給与水準が低めで、中堅エンジニアの給与は5万7000ドル(約843万円)から7万5200ドル(約1110万円)の範囲であるのに対し、米国では11万100ドル(約1630万円)から13万3700ドル(約1980万円)の範囲だと、ダブリンに拠点を置くHR・給与管理企業バウンドレスの調査は示している。しかし人材プールが拡大すれば、欧州企業間で人材獲得競争が激化し、地域の給与水準は上昇する可能性があると、ロンドンの物流向けAI企業、キャプチャーAIのシャーロット・バックスCEOは語る。「これは単純な需給の問題だ」と彼女は述べた。
その間にも、バックスは大学を卒業したばかりの若手人材を引きつけるため、英国の大学での採用活動に投資を強めている。これはH-1B発表以前から始めていた取り組みだが、今では「さらに力を入れている」と彼女は語った。


