若い人たちには、買い物や外食など、お金をパーッと使うことでストレスを解消する人が多いようだ。そのためつねにお金の不安を抱えてストレスがたまり、それでまたパーッと……の悪循環が起きていることがわかった。
金融情報メディアやコンサルティングなどを提供するSong(ソング)は、全国の20〜40代の男女450人を対象に、「お金の使いすぎと心の健康」に関する調査を行った。調査対象をイメージしやすいように、同社は、29歳、独身会社員、ワンルーム賃貸、年収450万円、毎月クレジット払いで赤字ぎみ、というモデル世帯を想定している。

調査によると、ストレスを感じたときのお金の使い方は、「衝動買い」がもっとも多く、次いで飲食や外食で発散、趣味や娯楽となった。お金でストレスを発散する人の割合は、合計で77パーセント。とくに20代は「自分へのごほうび」として浪費しやすい傾向にあるという。
「残業続きでついネットショッピング……届いたときは嬉しいけど請求書を見ると後悔する」。「友だちとの飲み会でストレス発散するけど、翌日財布を見て自己嫌悪」などといった意見が聞かれた。

こうしたお金の不安は、健康にも影響していた。その筆頭が睡眠不足だ。次が集中力の低下。「お金の悩みでパートナーに八つ当たりしてしまうことがある」と人間関係への悪影響をあげる人も少なくない。
こうしたお金の浪費とストレスの悪循環を、なんとか断ち切ろうと努力している人も多い。その方法は年代ごとに大きく異なる。20代は支出管理アプリを利用する人が非常に多いのに対して、40代は運動や散歩で気分転換をする人が多い。また、年齢が増すごとに副業や投資で収入源を増やすという人も増える。

「アプリで支出を見える化したら無駄遣いが減った」(27歳)。「副業収入を貯金に回すことで心に余裕ができた」(35歳)。「ストレスがたまるとランニングに出るようにしたら買い物欲が抑えられた」(40歳)という声が聞かれた。方法は人それぞれだが、どれもある程度の効果はあるようだ。
根本原因は、仕事量と賃金のアンバランスだとも思える。残念ながら、当面はこうした自助努力しかないだろう。



