リーダーシップ

2025.09.29 13:00

「価値創造型企業」の10原則──利益追求だけの従来型ビジネスでは通用しない

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3. 測定

今は、公開企業における価値創造のペースを、企業全体のレベルで測定可能

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従来の測定は、チームやプロジェクト、製品単位で行われることが一般的であり、企業全体で創出された価値についてはほとんど焦点が当てられていなかった。それは、ある領域での価値創造が、ほかの領域での価値破壊によって相殺されることが多かったためだ。

公開企業の「長期的なトータルリターン(投資から得られる総合収益)」は、企業レベルでの価値創造を測定する、シンプルで信頼性が高く手軽な方法だ。良い知らせは、こうした測定方法を用いることで、価値創造への科学的なアプローチが始まることだ。このツールを使わない企業は、自分自身に都合の良い広報を信じ、自己欺瞞の犠牲になるリスクがある。また、このツールを使わない投資家は、重大な過ちを犯すリスクがある。

今は、持続的に平均以上の価値創造を実現している公開企業と、そうでない企業を特定することが可能だ。ダウ工業株30種平均構成企業のうち、平均以上の価値創造を達成しているのはわずか3分の1だ。つまり、一流企業の3分の2は、平均以下の価値創造しか達成していない。

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4. 枠組みの変化

ビジネスの枠組みが変化

具体的にいうと、「主に内部効率に焦点を当てたマシン」から、「主に外部価値創造に焦点を当てた有機体」へと移行した。

従来の経営における利益志向の考え方では、行動と結果の間に単純な因果関係があると仮定する傾向があった。プロセスやシステムが成果を生み出すという考えだ。ここには、人間的な共感は関係ない。

対照的に、現在生まれつつある新しい企業における価値創造の枠組みは、一般的に企業を複雑な適応システムとして捉えており、その中には単純な因果関係がほとんど存在しない。結果は、複数要素の相互作用から生じると見なされる。物語・価値観・考え方が、プロセスやシステムの原動力と見なされるのだ。共感こそが核心となる。

5. 包括的な問題解決

持続的かつ迅速な価値創出を実現するには、企業レベルでの変化が必要

従来のビジネスは、機械的なシステムやプロセス、手法に焦点を当てていた。売上減少、心理的安全性の欠如、従業員のエンゲージメント低下、イノベーションの遅さといった問題に関しては、新たなプロセスを考案することで解決しようとした。

しかしこうした取り組みは、問題の根本原因、すなわち「企業全体の価値創出」に対処しない限り、失敗する可能性が高い。特定の問題のみへの対応は、多くの場合「がん」にばんそうこうを貼るようなものだ。

包括的な問題解決は、AIを有効活用する上で不可欠だ。AIに関する誇大宣伝を見抜き、新たな顧客価値を創出できる領域にAIを適用することが重要だ。一方で、無意味なコスト削減にAIを使うことは、破滅への道となる。

次ページ > 6. 深い行動変容

翻訳=米井香織/ガリレオ

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