メタが提供するテキストSNSのThreads(スレッズ)が、モバイル端末における世界の日間アクティブユーザー数(DAU)でX(旧ツイッター)を上回ったことが、調査会社Similarwebのデータで明らかになった。Xユーザーが抱える不満を解決するとして始動したThreadsが、週平均のDAUでXを上回るのはこれが初めてのことだ。両者はユーザーと広告主の奪い合いでしのぎを削っている。
9月15日から21日までの1週間、Threadsの平均DAUはわずかにXのそれを上回った。Similarwebのデータによれば、ThreadsのDAUは1億3020万人で、Xは1億3010万人だった。
また、9月20日時点のモバイル端末における全世界DAUは、Threadsが1億2870万人で、Xの1億2710万人を上回った。
2023年にInstagram(インスタグラム)の派生アプリとして登場したThreadsは、9月5日時点のDAUが初めてXを上回ったが、その後は両者で首位を入れ替える展開が続いていた(Similarweb調べ)。
Threadsのユーザー数は時間の経過とともに着実に増加している一方で、XのDAUは減少している。2024年9月時点では、Threadsのモバイル端末におけるDAUは平均8110万人だったのに対し、Xは1億4990万人だった。
iOSユーザーに限定したDAUについてもThreadsは優位に立ち、9月20日時点で6250万人となり、Xの5660万人を上回った。
両者はともにテキストベースのSNSだが、Threadsは同じくメタが提供するInstagramと深く統合されている点で有利だ。Instagramはフィード内でThreadsを宣伝している。
しかし、米国では依然としてXが優勢だ。9月20日時点で、米国の端末におけるThreadsのDAUは1620万人にとどまり、Xは2130万人だった。また、ウェブサイトの訪問数ではXが圧倒的に多い。9月20日時点で、Xのウェブサイトは1億4070万人のDAUを持つ一方で、Threadsのウェブサイト利用者は770万人にすぎない。Similarwebのデータによれば、ユーザーの滞在時間もXの方が長い。2024年8月時点で、Android端末でのXの平均滞在時間は4分4秒で、Threadsの2分14秒のほぼ倍となっている。
Threadsのユーザー増加はメタにとって広告収入拡大の好機であるとアナリストたちは主張する。バークレイズ・リサーチのアナリスト、ロス・サンドラーはフォーブスに対し、メタはThreadsによって「新しい広告在庫を活用できる」と述べた。サンドラーは、Threads単体で2026年に推定20億ドル(約4300億円)、2027年には90億ドル(約1兆3500億円)の広告収入を生む可能性があると予測している。
広告の収益化余地が高い理由として、米国や日本のように1人当たりの広告支出が大きい国で人気を得ている点を挙げた。メタは4月に、米国と日本の企業限定で広告を試験導入した後、Threadsでその他の国と地域でも広告を解放すると発表した。



