欧州

2025.09.26 09:30

AIで地雷を探知し、地上ロボットで除去 「戦後」も見据えたウクライナの取り組み

ドローン(無人機)からの映像をAI(人工知能)で解析し、地雷原をマッピングするデンマーク・ウクライナ系スタートアップ、Dropla Techのシステム。ウクライナ政府の防衛技術育成プラットフォーム「BRAVE1」がX(旧ツイッター)で共有した動画から

技術が成熟してくるのに伴い、ドロプラにはより多くの資金が集まり、政府からの関心も高まっている。同社は8月、デンマーク輸出投資基金(EIFO)、デンマークの投資会社マイ・インベスト、北欧のベンチャーキャピタル(VC)ファイナル・フロンティアから240万ユーロ(約4億2000万円)を調達した。新たな資金はAIを活用した地雷除去システムやドローン探知システムの拡張などに充てる予定だ。

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ウクライナのミハイロ・フェドロウ副首相兼デジタル変革相はドロプラのシステムについて、政府の防衛技術育成プラットフォーム「BRAVE1(ブレイブ・ワン)」での試験や、兵士からの直接のフィードバックを通じて「継続的に学習し、精度を向上させている」と述べている。ドロプラは、兵士が日常使用できるように設計された戦場対応ツールも展開している。

同社はさらに、兵士が補給ルート上の地雷をリアルタイムで探知できるようにする携帯型AIキットも開発した。ウクライナ軍の人員の損耗の多くは補給ルートで発生しており、このキットはすでに前線で有効性が証明されている。

工兵をサポートするロボット

ドローン戦やロボット工学は、地雷除去という危険な仕事も大きく変えつつある。OSINT(オープンソース・インテリジェンス)兵器リサーチャーのロイ・ガーディナーは筆者の取材に「ドローンに搭載される地雷偵察システムは、軍事用途と人道用途の両方で地雷除去を革命的に変えるでしょう」と予想した。

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従来、工兵は地雷探知機を手に地雷原を這って進む以外、方策に乏しかった。ガーディナーによると、ドロプラの空中偵察システムはこうした現状を変えるものになる。工兵部隊はそれを利用することで、現場に実際に足を踏み入れる前に地雷原の全体的な状態をより明確に把握し、どの地雷除去ロボットを投入するかを判断できるようになる。

遠隔操作の地上車両はすでに、工兵の命を守る定番の装備になりつつある。しかし、自律性の導入によってより大きな飛躍がもたらされるだろう。ガーディナーは「探知、分類、マッピングのプロセスはAIによって飛躍的にスピードアップします」と述べ、機械学習モデルは「作戦を経るごとにますます信頼性が高まっていくでしょう」と続けた。

ウクライナはこの戦争によって急速なイノベーションの実験場になっており、そこでは必要性に迫られてAIやロボットの新たな活用方法が次々に生み出されている。同じ技術は平時でも同様に重要ものになるだろうし、戦後も長期にわたって地雷の脅威が続くとみられる国の再建を助けることになるに違いない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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