これをスパイクスタジオは、便利ではあるが「評価を決め切れていない」状態だと解釈している。つまり、使ってみて便利そうだとは感じるが、まだ使い切れていないために、実際どれほどの業務改善が望めるのかが不明だという段階なのだろう。そのおもな原因は、運用体制の整備不足だと同社は指摘する。具体的には次の5つだ。
1. 成果の“見える化”不足:作業時間、ミス、手戻りがどれほど削減されたかなど、成果を数値で比べていない。
2. 作業の”連結”不足:ワークフローの部分的な活用に留まり、前後の工程で生成AIとの連携がない。
3. 必要な情報の”整理”不足:社内のデータやナレッジが乱雑で未整理の状態にある。
4. 運用の”継続性”不足:使い方が聞ける指導者や聞く時間がなく、個人の工夫に依存している。
5. ツールの”乱立”:ツールの導入がゴールになっている。似たようなツールが混在し効率が低下。
導入が進んでいるとは言え、生成AIはまだ個人利用レベルの「文房具」的な存在のようだ。全社的なDXによって生成AIは真の実力を発揮でき、目に見える成果を示してくるはずだ。それには、職場全体で準備を整える必要がある。


