ロシアがウクライナ南部クリミア半島を一方的に併合してから10年以上が経過し、同国への全面侵攻を開始してから3年半以上が経過した今もなお、ウクライナは軍事的・政治的・経済的に過酷な状況下で主権を守り続けている。最大の問題は、戦争終結が実際に何を意味するのかについて、ウクライナの同盟国間どころか国内でさえも、統一された展望が存在しないことだ。
ウクライナの新興財閥オリガルヒ、ビクトル・ピンチュクが設立した財団が主催する「ヤルタ・欧州戦略(YES)会議」の第21回年次総会が9月中旬、首都キーウで開かれた。同会議は当初、クリミア半島南端のヤルタで開催されていたが、2014年に同半島がロシアに併合されてからはキーウに移された。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が毎年出席する同総会は、国内外で支配的な世論を捉えてきた。今年の教訓は、戦争の終結方法について明確な合意が存在しないため、この戦争は今後何年も続く可能性があるということだ。
ウクライナ:領土と引き換えの和平は認めない
YES年次総会で、ゼレンスキー大統領は「戦争を終結させるために、プーチンにウクライナの領土を譲ることは、一部たりとも絶対に認めない」と演説。「それは解決策ではなく、単なる一時的な停戦にしかならないからだ」と訴えた。同大統領の演説は、ウクライナ国民の共感を呼んだ。国民はロシアに譲歩しても決して平和は訪れないと理解しているのだ。
ゼレンスキー大統領は、「ロシアがウクライナに対して、ウクライナ国民に対して、われわれの国民に対して行った行為について、ロシアに責任を取らせる必要がある」として、正義が含まれなければ戦争の真の終結には至らないと強調した。その上で、ロシア政府が命令したウクライナでの組織的な戦争犯罪、拷問、女性暴行、児童誘拐、虐待は罰せなければならないと訴えた。
ウクライナのアンドリー・エルマク大統領府長官も、ロシアは説明責任を逃れられないことを強調した。「停戦が成立すれば、ロシアの凍結資産を返還するという提案もある。しかし、われわれの答えは『ノー』だ。これは停戦のための代償ではないからだ」
地政学的な計算を超えて、ウクライナの退役軍人と戦争捕虜たちは、聴衆にこの問題の重大性と人的犠牲を改めて思い起こさせた。元捕虜だった海兵隊員のユリアン・ピリペイは、捕虜収容所でのロシア軍による残忍な暴行について語った。ロシア軍による拷問を受けた戦闘員や民間人の証言は、ロシアが責任を問われずに逃げおおせること自体が犯罪であるかのように思わせる。



