米国:戦争は終結に近づいているが、方法を見いだせず
米国のドナルド・トランプ大統領は、YES年次総会に向けた録画演説で、「この戦争は最終的には戦場で終わるのではなく、交渉の場で終わると信じている」と述べた。同大統領の顧問を務める退役陸軍中将のキース・ケロッグ・ウクライナ担当特使は、楽観的な見解を示した。同特使は同盟国の継続的な支援が前提だとした上で、「終結が目前に迫っている。最後の10メートルが戦いの最も困難な部分だ」と強調した。西側諸国による対ロシア制裁については、強力だが執行が不十分だと指摘し、「10点満点中6点」だと評価した。
同特使は、8月に米アラスカ州で行われたトランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領との首脳会談を例に挙げ、外交の役割にも言及した。「少なくともトランプ大統領はプーチン大統領を現地に呼び寄せ、戦争の終結について話し合った。トランプ大統領は扉を開け、対話の基盤を築いたのだ」
欧州:戦争終結への圧力が強まるも結束できず
ロシアが10日に北大西洋条約機構(NATO)の領空を侵犯した直後に開催されたYES年次総会では、同国がポーランド東部上空に19機の無人機を侵入させた事件が焦点となった。うち3機は武装しており、NATOの戦闘機によって撃墜された。ロシア軍はルーマニア領空にも無人機を侵入させ、数日後には再びポーランド領空を侵犯した。さらにスロバキア国境付近やバルト三国国境付近でも侵入が報告された。ロシアは一線を越えようとしているのだろうか? 多くの発言者が会議の中でこの問題を提起した。
フィンランドのアレクサンデル・ストゥブ大統領は、「ロシアが理解するのは力だけだ。われわれはそれを示さなければならない」と警告した。英国のイベット・クーパー外相は、NATOの準備態勢を強調しつつ、領空侵犯は深刻に受け止めなければならないと述べた。「われわれはポーランド軍とNATO軍が(ロシアの無人機を)、撃墜することを支持する。われわれには強力な対応が必要だ。さもなければ、プーチン大統領は他国の安定と安全を脅かし続けるだろう」
一方、フランスのグザビエ・シャテル大統領顧問は、長期的な戦略構築の重要性を強調した。「われわれは(ウクライナに対する)強固な安全の保証が必要だ。紛争の再燃を確実に防ぐため、(NATOの)全加盟国が資金提供する将来の軍事モデルを構築しなければならない」
明確な出口はどこに?
ウクライナの同盟国間に共通認識があるとすれば、それはさらなる行動が必要だという点だ。だが、何をどうすれば良いのかは、依然として明確になっていない。
フランスのシャテル大統領顧問は「ロシアは停戦や和平合意の前提として、途方のない譲歩を要求しようとしている」と指摘。「こうした行為は違法かつ不道徳なだけでなく、ロシアには約束を守らないという前歴がいくらでもあることは、周知の事実だ」
ポーランドのラドスワフ・シコルスキ外相は、ロシアの無人機が自国の領空を侵犯した際の危険性について、次のように語った。「同時に20件もの間違いを犯したなどとは信じがたい。NATO軍の操縦士が迎撃したおかげで、(ロシアの)無人機は1機も目標に到達しなかった」
ウクライナにとって、妥協なき戦いは続く。解決を求める圧力が高まる中、同盟国にとって今後の道筋は不透明だ。予期せぬ出来事が起こる可能性は残っており、ウクライナとその同盟国は、この戦争が誰も想像できないほど長く続く可能性を受け入れつつある。


