サステナブルなものづくりの知見は積極的に共有する
サステナブルなものづくりに対するロス氏の言葉には、彼女の強い決意と責任感が込められていた。
「今から8年ほど前、私はグーグルのデザインチームのメンバーに対して、これからの時代において、サステナビリティは最大の課題となると伝えました。プロダクトデザインの使命とは、まるで魔法のように無から有を生み出すことです。ならば、私たちにはこの時代の最も大事な課題を引き受け、解決する責任があります」
その決意は、具体的なアクションとなってグーグルのプロダクトに反映されている。例えばNestシリーズのスピーカーのグリル(表面のカバー/パネル)の生地には、使用済みペットボトルから作られたリサイクル素材を採用した。さらに業界に先駆けて、プラスチックを一切使用しない梱包材をつくり、これを採用した。接着剤に含まれるプラスチックに至るまで代替品を探したり、複数年にまたがる壮大なプロジェクトだったという。
課題を解決してきた課程の中で得た成果を、グーグルはオープンソース化している。環境に優しい、プラスチックの代替品となる素材がどのようなものなのかについてなど、グーグルのノウハウがウェブサイトなどを通じて外部にも積極的に公開されている。「なぜならこれはグーグルのためだけではなく、世界のためにとても有用な情報だからです」とロス氏はその意図を説明する。
グーグルが独自の研究開発を経て得た知見を公開することで、他の企業が追随し、サプライヤーも代替品の開発に動く……。そうした大きなうねりは、サステナブルなものづくりをリードするグーグルだからこそできることなのかもしれない。
様々な課題をクリエイティブに解決し、人々の生活を豊かにする。そして未来の世代と環境に対して責任を持つ。ロス氏といっしょに歩むグーグルのデザインチームは、最先端を行くテクノロジーのさらに先にある、より人間的で持続可能な未来を見つめている。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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