今後の展望
NASAにおける系外惑星科学の今後は、地球に類似する岩石惑星の探索とバイオシグネチャー(生命存在指標)の有無を調べるための惑星大気の調査に重点を置くと、NASAは述べている。バイオシグネチャーとは、過去または現在の生命の証拠として使用できる特徴的な元素や分子、物質や特性などのことだ。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)はすでに、100個以上に上る系外惑星の大気の化学的性質を分析しているという。
だが、このような系外惑星の発見を、周囲の環境を考慮して捉えるためには、まず太陽系、特に地球の姉妹惑星である金星に関する理解を向上させる必要がある。
NASAのDAVINCI(ダヴィンチ)やVERITAS(ヴェリタス)のような将来の金星探査計画は依然として、中止が宣言されない限り実現すると、ケインは述べている。
また、3番目の金星探査計画である欧州宇宙機関(ESA)のEnVision(エンビジョン)も、NASAは提携して取り組んでいる。
予算配分をめぐる闘い
米国の新会計年度初日の10月1日に、これらの探査計画が大打撃を受けることが極めて懸念されるのは言うまでもないと、ケインは指摘する。それまでに議会が歳出法案を承認しなければ、予算継続決議が審議される。これは、この法案が議会で可決されれば、大統領の予算要求が実施されない可能性があることを意味するという。
それでも、今回の系外惑星6000個の節目は、称賛に値する。
筆者が自著のリサーチをしていた時、初期のホットジュピターのいくつかを共同で発見した天文学者のジェフ・マーシーが、系外惑星探査における自らの役割は30年で時代遅れになるようだと冗談めかして話していた。
マーシーの予言はそのとおりになったが、惑星理論研究者は、なぜ太陽系と同じような惑星構成を持つ恒星系がこれほど少ないように思われるのかについて、いまだに困惑している。これはすなわち、金星や地球に類似した惑星が主星から生命生存可能な距離にあるとともに、巨大ガス惑星が木星に類似する距離(太陽系の場合は5天文単位、1天文単位は地球太陽間の平均距離)にある軌道を公転している恒星系だ。
これを完全に解明するまでは、惑星科学における最も重要な問題のいくつかについて不明なままになる可能性が高い。
系外惑星のどれかに知的生命体が存在するかどうかについては、『Distant Wanderers』の中でマーシーが極めて簡潔にまとめている。
「自分にとって最も深遠で不可解な問題は、ダーウィン的進化が、生命体の間での生き残りにつながるのは確かだが、必然的に知性に向かうのか否かというものだ」と、マーシーは『Distant Wanderers』の中で筆者に語っている。「結局のところ多数のゴキブリやキツツキと少数のクジラで終わるかもしれないが、銀河系は知的生命体がうじゃうじゃいるかどうかは不明だ」


