今週は太陽が天の赤道を横切り、北半球では秋分を迎える。22日の部分日食は南半球でしか見られなかったが、北半球の星空だって負けてはいない。幽玄な細い三日月は、夕空で火星やさそり座の1等星アンタレスと行き合う。9月23日からの1週間の夜空の見どころをまとめた。
9月23日(火):秋分とオーロラ
9月23日は秋分の日。日本時間午前3時19分に太陽が赤道の真上に到達し、秋分点(天の赤道を北から南へ横切る点)を通過する。この日は地球上のどこでも昼と夜がほぼ等しく12時間ずつになり、太陽は真東から昇り、真西に沈む。これ以降、北半球では夜が次第に長くなってゆく。これは地球の自転軸(地軸)が約23.5度傾いているためで、地上に四季がある理由でもある。
太陽が天の赤道を横切る秋分と春分の前後は、オーロラの活動が最も活発になる時期だ。よって秋分の日前後の数週間はオーロラ観測の好機となる。大規模なオーロラの出現に期待したい。
9月24日(水):糸のような細い月
日没直後、西南西の地平線のすぐ上に、糸のように細い弧を描く月が現れる。あっという間に沈んでしまうため、見逃さないでほしい。この月を見るには、視界を遮るもののない開けた場所が必要だ。
細い月の上には、赤い火星が見えるだろう。さそり座の赤色巨星アンタレスと色が似ているが、星が瞬くのに対し、惑星は光り方が安定しているので見分けはつきやすい。
9月26日(金):細い月、火星、アンタレスが共演
月齢4.5の月が、赤みを帯びた火星と「さそりの心臓」アンタレスの中間に浮かぶ。アンタレスという名前は「火星に対抗するもの」という意味で、色合いが似ていることと、共に天球上の太陽の通り道である黄道の近くに位置し、よく接近して見えることが由来となっている。
9月27日(土):月とアンタレスが接近
日没後の南西~南南西の低空で、月齢5.5の月がアンタレスに近づく。アンタレスは太陽系から約550光年先にあり、直径が太陽の約700倍もある巨大な恒星だ。翌28日にはアンタレスの左上に月が見える。



