資産運用

2025.09.20 13:30

なぜ富裕層はヘリコプターを買うのか 新富裕層の資産運用術

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給与・報酬型の富裕層は、医師や弁護士、会社役員などに多くみられ、彼らの最大の関心事は節税だ。所得が4000万円を超えると所得税率は45%に達するほか、住民税が10%加わり、合計税率は55%になる。彼らの運用先としてトレンドになっているのがふたつ。ヘリコプターやクルーザーといった高額な動産資産と不動産だ。ヘリコプターは、ある一定の年数がたったものは最短1年で購入価格の全額を減価償却でき、使わないときは貸し出すことで、固定のリース収入も得られる。つまり、節税と収益のダブルのメリットがある。細かい点は省いて解説すると、例えば、1億円のヘリコプターを4人で共同所有した場合、それぞれの持ち分は2500万円。これを1年で全額償却すれば、仮に4000万円の所得がある人でも、課税対象所得を1500万円に圧縮できる計算だ。

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木造アパートも運用対象に

不動産で税金対策として最近人気になっているのが、築22年を超えた木造アパートだ。木造建物の法定耐用年数は22年だが、それを超えた中古物件を購入した場合、4年間で減価償却できる。これにより、購入額を4年で一気に経費計上でき、その間は所得税が抑えられる。償却期間中は家賃収入を得ながら税負担を軽くし、タイミングを見て売却すれば、キャッシュフローと節税の両面でメリットが期待できる。

投資対象としては、ラグジュアリー品も人気だ。具体的には高級ワインやウイスキー、限定ものの時計、現代アートなどで、これは起業家型の富裕層からも注目が集まっている。イギリスの不動産コンサルティング会社であるナイトフランクが、ラグジュアリー投資インデックスを出しているが、5年や10年の変化率を見ていくと、多くのものが値上がりしており、投資用に所有する人が増えている。

そして、どのタイプの富裕層もバランスよくお金を入れているのが、プライベートデットファンドだ。プライベートデットとは、銀行以外のファンドが企業に返済義務のある資金を貸し付けるもので、特にブリッジローンやLBOローンと呼ばれるものが富裕層のなかでは人気だ。ブリッジローンはつなぎの資金として活用され、例えば不動産が完成するまでの間の資金援助をしたり、企業がIPOをするまでの資金調達手段となったりする。

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LBOローンは企業がM&Aをするときに使われることが多く、買収金額のうち自己資金では足りない部分を、対象企業の資産や将来のキャッシュフローを担保にして借り入れるローンのことをいう。さまざまなプロジェクトに対してプライベートデットファンドが組成され、富裕層たちは各案件に対して出資をしている。

今後は、AIの台頭に伴って多くのお金を稼ぎ出す、新たな富裕層が生まれてくると予想している。すでにAIを使って効率的に業務をこなし、少数の従業員でユニコーン企業(企業価値が10億ドル以上の未上場スタートアップ)になるケースも出てきている。起業家だけではなく、フリーランスとして働く人がひとりで億を稼ぐケースも出てくるだろう。


冨田和成◎野村證券で超富裕層向けプライベートバンキング業務を担当後、2013年にZUUを創業。金融経済メディアを運営するほか、プライベートデットファンドを組成するなど、金融領域にも事業を拡大中。

文=露原直人

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