新型iPhone 17に対して支払う価格は、アップルの価格設定に加え、各国の税や関税が異なるため、国や地域によって大きくばらつく。国際労働機関(International Labor Organization、ILO)の平均賃金データに基づき、この人気端末を購入するのに必要な労働時間を試算すると、その格差はいっそう大きいことがわかる。
| iPhone 17 | iphone 17 Pro | iPhone 17 Pro Max | iPhone Air | |
|---|---|---|---|---|
| 256GB | 12万9800円 | 17万9800円 | 19万4800円 | 15万9800円 |
| 512GB | 16万4800円 | 21万4800円 | 22万9800円 | 19万4800円 |
| 1TB | ― | 24万9800円 | 26万4800円 | 22万9800円 |
| 2TB | ― | ― | 32万9800円 | ― |
iPhone 17は米国時間9月9日にアップルが発表し、世界の複数の国で9月12日の夜から予約が始まった(日本では、9月12日21時から開始された)。新モデルの改良点には、より高性能なフロントカメラ、標準カメラの機能拡充、耐傷性の向上などが含まれている。一方で、同社のAI分野におけるリーダーシップの欠如——たとえば写真編集——については、引き続き批判されている。
米国では、256GBのストレージを備えたiPhone 17のベースモデルが799ドル(約11万8000円)に売上税が加算される。たとえばカリフォルニア州では、最終価格は約857ドル(約12万7000円)になる。より大きな画面、長いバッテリー寿命、より優れたハードウェアを備えた最上位機種であるiPhone 17 Pro Maxは、米国では税を含めておおよそ1286ドル(約19万円)からとなる。
ヨーロッパ
欧州ではこの価格はすでに大きく異なり、たとえばポルトガルでベースモデルが1160ドル(約17万1000円)、ハンガリーでは1200ドル(約17万7000円)だ。ドイツでは約1110ドル(約16万4000円)、英国では約1080ドル(約16万円)と、やや安い。iPhoneの価格が最も高い国の1つがブラジルで、ベースモデルだけでも1480ドル(約21万9000円)超となり、トルコでは同じ端末が換算で1880ドル(約27万8000円)で販売されている。(訳注:日本はiPhone 17ベースモデルは税込12万9800円から、iPhone 17 Pro Maxは税込19万4800円から)。
ブラジル、トルコ
ブラジルとトルコの両国では高い輸入関税が課されるうえ、ブラジルでは物流上のセキュリティ費用、トルコでは贅沢税が追加コストとなる。通貨安もアップルの事業運営に不確実性をもたらし、価格政策に反映されうる。こうした事情から、両国におけるiPhoneの小売価格は高く、平均の税引前賃金ベースとした場合、iPhone 17のベースモデルを購入するのに必要な労働時間は409〜461時間、標準構成のiPhone 17 Pro Maxでは639〜709時間に達する。
インド、ベトナム
インドとベトナムでは、換算で1000ドル(約14万8000円)未満と価格自体は安いにもかかわらず、iPhone 17を手に入れるには依然として相当長い労働時間が必要になる。両国の平均時間当たり賃金(税引前)は低く、ブラジルやトルコの約4ドル(約590.6円)に対して、インドとベトナムでは約1〜1.60ドル(約147.7円〜236.3円)にとどまる。かつてインドはiPhoneの販売価格が最も高い国の1つだったが、国内でアップルの工場が稼働するようになり、高率の課税を回避できるようになったため(少なくとも名目上は)価格は大幅に下がっている。
ヨーロッパは韓国より安いのか?
欧州では、価格が高いうえ賃金水準が低めな国もあるため、ポルトガルやハンガリーのような地域ではiPhoneが割高になる。一方、ドイツ、英国、北欧諸国などではいくぶん安い。日本と同様に名目価格の安さで知られる韓国だが、賃金水準を考慮すると、実際には西欧の一部地域よりも現地の人々にとって高くつく。
米国
米国では、iPhone 17とiPhone 17 Pro Maxの価格は、平均の税引前賃金ベースでそれぞれわずか21時間と31時間の労働に相当する。これを上回るのがスイスで、相対的に低い価格と高い所得の組み合わせにより、平均的な労働者にとって新型iPhoneが最も安い。
手取りに影響する税率や個々の税区分によって、iPhoneを購入するために実際に必要な労働時間は異なりうる。本稿の統計では、利用可能なデータの制約から税引前賃金(グロス)を用いている。



