2025.09.15 16:00

クラシックカーレースを「持続可能」にするために 英グッドウッド

英国で毎年9月に開催されるクラシックカーレースのイベント「グッドウッド・リバイバル」(Goodwood)

英国で毎年9月に開催されるクラシックカーレースのイベント「グッドウッド・リバイバル」(Goodwood)

世界で最も権威あるクラシックカー・モータースポーツ・イベントの1つとして広く認知されている「グッドウッド・リバイバル」では、今年も全出場者が「持続可能燃料(サステナブル燃料)」を使用する。

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今年も9月12日〜14日の3日間にわたり開催されたグッドウッド・リバイバルで、持続可能燃料の使用が試験的に始まったのは2023年のこと。翌2024年にはすべてのレースで持続可能燃料が使用された。2025年も引き続き使われるこの燃料は、クラシックカーレースそれ自体を変えることなく、それによる温室効果ガス排出量を削減するための方策だ。

イングランド南部チチェスター郊外にあるグッドウッド・サーキットで、毎年9月初旬に開催されるグッドウッド・リバイバルは、1998年の第一回以降、世界で最も愛されるクラシックカーの年次モータースポーツイベントに成長した。1948年から1966年(かつてこのサーキットで現役のレースが行われていた時期)に製造された車両のみが出場でき、各時代やクラスごとに区分けされた車両によるレースが週末を通じて繰り広げられる。サーキット自体も当時を再現するように装飾され、観客も1940年代、50年代、60年代の服装が推奨される。実際、すべての人々がそんな雰囲気を満喫している。

持続可能燃料は、原油を精製して作るのではなく、空気中から回収した炭素や廃棄物を利用して製造する。グッドウッドでは、参加者が少なくとも70%の持続可能燃料を使用して競技車両を走らせることを義務付ける規則を導入。これによって同イベントの炭素排出量削減を図る一方で、クラシックカーや繊細なレーシングカー特有の要求にも配慮した。

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この燃料を使用して走行する車両の排気管からも依然として炭素が排出されるが、そもそも空気中にすでに存在していた炭素がこの燃料の製造に使われているため、環境に影響を与える炭素がさらに生成されたり増えたりするわけではない、という理屈が「持続可能」を謳う根拠となっている。

次ページ > 持続可能燃料は巨大なビジネスになる可能性を秘めている

翻訳=日下部博一

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