2025.09.15 16:00

クラシックカーレースを「持続可能」にするために 英グッドウッド

英国で毎年9月に開催されるクラシックカーレースのイベント「グッドウッド・リバイバル」(Goodwood)

「これは極めて興味深い道のりであり、我々はまだその途中にある」と、グッドウッドのイベントコンテンツ責任者を務めるマット・ハーンは語る。「それに取り組むことが、我々にとって正しい行動だ。持続可能性について考えると、排出ガスや気候変動を即座に思い浮かべる人が多い。しかし、我々にとってそれは、クラシックカーレースが文化的に持続可能であり続けられるように、正しい基盤を築くことでもある。それによってクラシックカーレースというものが、人々にこれからも許容できると思われるようにすることも、本当に大切なのだ」

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来場者もクラシックな服装で楽しむ(Goodwood)
来場者もクラシックな服装で楽しむ(Goodwood)

今のところそれほど認識されていないが、持続可能燃料は巨大なビジネスになる可能性を秘めている。電気自動車(EV)の充電インフラを構築することが困難な国々で商機となるだけでなく、モータースポーツ全般においても有望だ。F1では2026年シーズンから100%持続可能な燃料の使用が義務付けられることになっている。F2とF3はすでに2025年に100%持続可能燃料に切り替わった。

シェルやトタルエナジーズのような大手企業に加え、米国のP1フューエルズや英国のゼロ・ペトロリアムといった新興企業も持続可能燃料の開発に投資している。元F1エンジニアのパディ・ロウが共同設立者兼最高経営責任者(CEO)を務めるゼロ・ペトロリアムは、大気中から回収した二酸化炭素とグリーン水素(再生可能エネルギーから製造された水素)を用いて、従来のガソリンやディーゼル、ジェット燃料の代替となる合成燃料の生産に取り組んでいる。ドイツのスポーツカーメーカーであるポルシェも、自社が主催するワンメイクレースや顧客体験施設で使用する持続可能燃料「eFuel」を開発している。

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翻訳=日下部博一

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