リーダーが「両利き」になるには
「両利き」に関して重要なのは、タイミングを掌握することだ。つまり、境界線を押し広げるべき時と、遂行を強化するべき時を知ることだ。こうした能力を鍛えるためにリーダーがとれる、実践的なステップをいくつか紹介しよう。
1.洞察力のエッジを磨こう。標準的なデータにとどまらず、従来とは異なるシグナルを追跡しよう。多様な観点が交錯することで、隠れていた知恵が浮上するようなフォーラム(討論の場)を組織しよう。
2.確信をもって再配分しよう。業績を上げている中核的な分野を維持しながら、成長機会に思い切って賭けよう。
3.アジリティ(機敏さ)を可能にする設計をしよう。モジュラー型のテクノロジーのほか、明快さやスピード、説明責任に対して報酬を与えるパフォーマンスシステムに投資しよう。
4.「両利き」を、恒久的なスキルとして捉えよう。デロイトによるCEO調査では、レジリエントなリーダーは、リーダーシップスタイルに両面性を埋めこみ、ビジョンモードとオペレーションモードをシームレスに行き来することが示されている。
5.好奇心と適応力をモデル化しよう。実験や自己認識に対して報酬を与えよう。リーダーには、探索と遂行の切り替えを、自然なものとして感じるような文化を生み出す力がある。
「両利き」のリーダーシップは、時流に適応し続けるためのコストだ。2026年における最高のリーダーシップは、大胆なビジョンだけでなく、勢いや信頼を失わずにそれを実現できる能力によって定義される。「両利き」のリーダーシップは、時代に適応し続けるための鍵になるだろう。


