AIスキルを身につけてバリバリ使えるようになれなければ、AIに使われる側に追いやられてしまう。それは重々理解しているものの、実際にAIスキルを学んでいるビジネスパーソンは意外に少ない。そこにはAI学習の壁があった。
社会人向けのAIスキル学習を提供するAIスキルアカデミーは、20〜60代(ボリュームゾーンは30〜40代)の全国の男女309人を対象にAIスキルとキャリアに関するアンケート調査を実施した。309人のうち、AIを利用している人は158人、していない人は151人とほぼ半々の割合だ。

AIを使えないことで将来仕事で不利になるかを尋ねると、AI利用者は91.9パーセント、非利用者は78.1パーセントとなった。実際に使っている人のほうがその重要性を肌で感じているのだろう。さらに利用者の94.8パーセントは、5年後にはAIスキルはさらに重要になると考えている。

一方、AIを使っていない人はいささか呑気なようだ。AIを使い熟す同僚を見て自分のキャリアに焦りや不安を感じるかとの問いに、感じると答えた人は26.5パーセントに留まった。AI利用者は「作業時間が短縮され、より付加価値の高い業務に集中できるようになった」、「人間だけでは思いつかない多角的な視点やアイデアを得られる」といったAIの利点を指摘しているが、AIを使ったことのない人にはピンとこないのかもしれない。
とは言え、AIスキルがないと不利だと認識している非利用者は8割近い。彼らはなぜ使えないままでいるのか。どうして学ばないのか。その理由を尋ねると、第1位は「時間がない」だった。僅差で2位は「何から学べばいいかわからない」というもの。これらが、学びたくても学べない学習の「壁」となっていた。

AIスキルに関して危機意識がある約8割の人たちは、学習の機会さえあればAIの達人になって企業に大いに貢献する可能性がある人たちだ。企業が学習の壁を取り除く努力をするべきだろう。



