ロシア軍のドローン部隊「ルビコン」が、ウクライナの戦線で最も有効な戦力のひとつとして急速に台頭している。キルゾーン(撃破地帯)を拡大し、ウクライナ軍の兵站活動を以前よりも格段に難しくしている。
ウクライナ無人システム軍の第419独立無人システム大隊に所属し、(家族の安全への懸念から)アンドリーと名乗るウクライナ兵、コールサイン“メルフィー(マーフィー)”は筆者のインタビューで、ルビコンとの最近の交戦で九死に一生を得た経験を語った。
アンドリーのチームが車両に乗って移動していたところ、いきなりFPV(一人称視点)ドローンが襲来した。彼らは直撃を受ける直前になんとか脱出したが、車両と積載していたすべての装備が破壊された。その後、一帯で敵のドローン通信用の光ファイバーケーブルが見つかったという。アンドリーはルビコンの「目的はウクライナの兵站をたたくことにある」と話す。
ロシア軍によるドローン攻撃を絶え間なく受け続けてきた結果、ウクライナ軍はピックアップ型などのトラックや装甲輸送車の不足に直面している。これらの輸送用車両の多くは補給や後送任務で走行中に破壊されている。
「突然やって来たんです」とアンドリーはルビコンのドローン攻撃を振り返る。「わたしたちはドローンが車両に命中する直前に飛び降りるのがやっとで、すべて炎に包まれました」。さらにこう続ける。「気づくのが遅すぎたので、ドローンを撃ち落とす時間はありませんでした。わたしたちが身を隠そうと走っている間にドローンは方向を変え、ピックアップに突っ込み、わたしたちのドローンも弾薬もすべて破壊されてしまいました」
アンドリーは、前線全体で即席の“マッドマックス風”車両がありふれた光景になっていると言う。ドローン攻撃をなんとかしのぐため、通常のトラックを金属製のケージなどで補強したものだ。
ルビコンの戦術を検証する場になったクルスク戦線
ルビコンをはじめとするドローン部隊は、ロシア軍が今年、2024年8月からウクライナ軍の侵攻を受けていた西部クルスク州から、同軍部隊を駆逐するうえで決定的に重要な役割を果たした。ロシア軍はウクライナ軍部隊の側面を攻撃し、光ファイバードローンの襲撃でその補給路を圧迫することで、数カ月にわたる激戦の末にようやく排除に成功した。
Russian drone ambush tactics: A Rubicon Center pilot
— Samuel Bendett (@sambendett) March 12, 2025
in the Sudzha salient flew to the crossroads and "sat" in ambush for the retreating Ukrainian columns. Once one column passed, he lifted the drone from the ground and launched his attack with minimal warning.… pic.twitter.com/0ZdYm8AIE5



