彼女の見解では、いま最優先にすべきなのは「対ルビコン」に特化した取り組みを始め、この部隊の要員をより効果的に狩り出すことだ。
ウクライナ軍はデータ駆動の取り組みで反撃する
ウクライナはこれまで、必要に応じて戦術を転換し、ロシアに対抗できることを示してきた。2024年8月、ウクライナのドローン強化プロジェクト「ドローン軍」はポイント制の報奨プログラムを始めた。ミハイロ・フェドロウ副首相兼デジタル変革相が「戦争の数学」と呼ぶこのプログラムでは、各攻撃がFPVドローンの映像によって記録・確認される。ロシア軍のT-90M戦車のような高価値目標を撃破するとより多くのポイントが与えられ、追加のドローンといった「ボーナス」を部隊が受け取れる仕組みだ。
これにより、ウクライナ軍のドローン操縦士たちはインパクトの大きい目標を優先的に狙うように動機づけられ、戦績の優秀な部隊には迅速な補給が保証される。このプログラムは最近、ロシア軍のドローン要員、なかでも光ファイバードローンの操縦士の排除を重視するように更新された。ロシアの軍事評論家は今年6月、この重点変更は効果を上げているとテレグラムで認めている。
それでもルビコンの成功は、ロシアが過去の失敗に学び、ドローン戦ではるかに効果的な戦い方を習得したことの反映だ。ロシアはドローンの生産体制を拡充し、実績のある機種を標準化したうえで、それを戦線全域に投入している。ウクライナは、ルビコンのような精鋭部隊に対する対抗手段を急いで編み出し、より効果的に攻撃を加えるという時間との戦いを強いられている。


