「鬼滅の刃」の関連グッズは、フィギュアやアクリルスタンド、ブランケットなどが品薄。オンラインストアではサーバーダウンしたり、オフラインショップは開店前から長蛇の列となったりしている。SNSの拡散力と、ファン層の購買行動を絡めたマーケティングモデルは今後の業界標準になるかもしれない。
「軍事」「歴史」テーマとサブカルチャーの交差は、日本でもしばしば議論を呼ぶが、韓国では評論家などからは「大正ロマン様式や組織、オカルティズム描写が新鮮な魅力」と評価する声も上がっている。「家族観や弱さを乗り越える成長、普遍的価値観が本質」とし、軍国主義賛美の意図は感じないとの声も多い。
「鬼滅の刃」に対して、韓国のネットシーンでは「創作物の自由」「文脈による受け止め方」が尊重され始めている。伝統的な「反日」批判一色から、若い人たちやコアなファン層は「純粋なエンタメ」として積極的に受容している。
今回の「鬼滅の刃」最新作は、すでにこの時点で過去の日本のアニメのメガヒット作品「劇場版『鬼滅の刃』 無限列車編」(222万人)や「ハウルの動く城」(301万人)、「君の名は。」(393万人)の観客動員数を超えた。
ちなみに過去の観客動員数としては、「THE FIRST SLAM DUNK」(409万人)、「すずめの戸締まり」(558万人)があり、最終的にはこれらの作品に迫る勢いだ。「鬼滅の刃」の最新作で記録が塗り替えられ、日韓の文化的交流に新地平も広がる。
コロナ禍で沈んだ映画界も、一気に活性化。映画館や関連ショップが「エンタメ消費」の拠点となり、SNSとの連動で新しい観客層も拡大した。ファンの熱量が本物だったからこそ、動員数と売上はぐんぐん伸びてきたとも言える。
日韓の社会状況を超え、映画館の熱狂が文化と市場を前向きに揺さぶる。「鬼滅の刃」は、良くも悪くも普通のアニメという枠組みを突破して、映画産業と出版、グッズ市場へ1つのビジネスモデルを提示した。批判も熱狂も含めて「社会現象」という単語の意味、そのリアルがいまここにある。
各種の熱狂、論争、購買行動、社会的議論の渦。日韓の歴史感情や価値観を横断する現象として、「鬼滅の刃」はまだまだ進化し続けている。映画の未来を占ううえでも、その影響力からは目が離せない。


