映画

2025.09.10 14:15

映画界の救世主「鬼滅の刃」最新作の社会現象化で韓国社会に及ぼす影響とは

Photo by Craig Barritt/Getty Images for Aniplex of America/Crunchyroll

映画とコミックの融合が売上を加速

こうした批判や論争の一方で、韓国の映画興行界では、前述のように「鬼滅の刃」の最新作は「救世主」と見なされている。映画業界自体がコロナ禍以降低迷を続けてきたなかで、この作品の高い予約率や話題性によって観客動員回復のうえでは大きな期待がかけられている。

advertisement

SNSなどインターネット上でも熱狂的なファン層の支持はとても厚く、また数々の批判の声から作品を擁護しようというコミュニティの活動も目立つ。「めっちゃ面白い」「BGM最高」「映画なのにアニメを超えた」など作品への賞賛も圧倒的だ。そこで、生粋のファンが何度も観覧するリピーターとなっていることも観客動員数を増やしている。

「家族愛や自己犠牲」「弱さを乗り越える」などのメッセージに心を揺さぶられたという支持コメントも増加している。他にも「何度でも観たい」「グッズ争奪戦したい」などの熱気でさまざまな反発を上回っているのが現況だ。

劇場版のアニメがここまでの反響となるのは韓国では異例だ。映画本編だけではなく、公開前後には原作コミックスの販売数も大きく動いた。韓国の書店ベストセラー30位圏内に「鬼滅の刃」の第16巻から第23巻までが入り、全巻セットは公開後10日で販売数は7倍にも昇った。コミックと映画の融合が、出版の売上循環を加速している。

advertisement

作品を盛り上げているのは、映画会社側の努力も見られる。公開前のイベントは失敗に終わったが、公開後には「鬼滅の刃」の声優を韓国に招待して、ファンに会うイベントを行ったのはかなり好評を博した。

劇場側も映画のなかのキャラクターや名場面を再現する館内でのフードメニューやグッズも映画館別に実施しており、リピーターたちを楽しませている。また、シネマコンプレックスでは、IMAX、4DX、Dolby CINEMAなど、特別館のフォーマットがすべて適用されて公開されているので、さまざまなスクリーンで楽しめるようにもなっている。

次ページ > 伝統的な「反日」批判一色から積極的受容へ

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事