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2025.09.09 18:00

長続きする恋愛は「標準設定の優しさ」が決め手、身に付けるための「4つの方法」

Peter Carruthers / Getty Images

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一般に信じられていることとは反対に、恋人間の親密さを持続させるのは、崇高な約束よりもささやかで静かな習慣だ。その中でも最も過小評価されているのが「標準設定の優しさ」だ。あなたが日常生活の中で反射的にパートナーに対してとる基本的なスタンスのことだ。

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恋愛関係の行く末を議論する時、愛着のパターンやコミュニケーションのスタイル、対立の解決策に注目がいくことが多い。だがこれらすべての内側に隠されているのは、パートナーの行動にどれだけ早く、そして本能的に善意を見出すかという微妙な現象だ。

相手が遅刻したとき、あなたはどう考える?

あなたは相手の遅刻を不注意と解釈するのか、それとも時間通りに到着しようと最善を尽くしている最中に渋滞に巻き込まれたのだろうと解釈するのか。用事のし忘れを怠慢と見るか、それとも人は過ちをするものだととらえるのか。こうした一瞬の判断は心の「標準」とも呼ばれ、恋人との絆が確かなものになるか、もろいものになるかに極めて大きな影響を及ぼす。

「最初の解釈」が重要なわけ

認知心理学では昔から、人間は実社会を解釈するために経験則に基づく問題解決の手法(精神的近道)に頼っているとされてきた。恋愛関係の場合、こうした近道は自動的であることが多い。

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あなたの「標準設定」が恐怖に基づいている場合、あなたは相手の過ちを状況(「大変な1日」)のせいではなく、相手の性格(「私に関心がない」)のせいにする可能性が高くなる。研究によると、これは根本的な帰属の誤りと呼ばれる。

心理学者ジョン・ゴットマンの愛に関する研究も似たような真実を明らかにしている。ゴットマンは、何十年もうまくいっているカップルは、争いがないからうまくいっているのではないことに気づいた。そうではなく、お互いの行動をどのように解釈するかでうまくいくかどうかが決まるのだという。長続きするカップルは、猜疑心や非難を標準設定にするのではなく、ゴットマンが「ポジティブな感情の優先」と呼ぶもの、つまり緊迫した場面でも善意を前提とする傾向にある。

時間をかけて構築でき、相手のいい部分に目を向けるようになる

「標準設定の優しさ」は表面的である必要はない。このような精神的な反射は時間をかけて構築でき、パートナーの「もっといい部分」に目を向けるというとらえ方の微妙な変化を伴う。そして、このような標準設定はバックグラウンドで一貫して機能するため、その効果は時間とともに増大する。

定期的に善意の解釈を与えられているパートナーは、単に許されていると感じるだけでなく、パートナーから真の応答性を感じられるようになる。2023年の研究は、このことがいかに強力であるかを強調している。パートナーが自分を「理解」し、受け入れ、最善を尽くしてくれると感じるとき、関係に対する安心感は深まるのだという。

実際、「理解されている」と感じることは関係に対して長期的に満足感が得られることにつながる最も強力な要素の1つだ。

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翻訳=溝口慈子

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