欧州

2025.09.08 09:30

ウクライナの若き退役軍人、戦後の国家再建に向け早くも始動

ウクライナ首都キーウ郊外のブチャで、戦術訓練を受ける女性兵士。軍隊に入隊する以前は医師だった。2024年7月6日撮影(Andriy Dubchak/Frontliner/Getty Images)

改革の推進を決意した意欲ある退役軍人たち

2人の退役軍人の最も強い絆は、ウクライナ軍の指揮構造と医療への取り組みを改革するという強い意欲を共有していることだ。

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パウテツィは目標達成に向けて順調に進んでいる。必要なものを把握し、そこに到達するための明確な計画も持っている。ドローン(無人機)戦争の時代には、戦闘時の医療処置を医師や救急救命士といった専門職だけに任せるべきではないとパウテツィは強調する。兵士は皆、基礎を習得すべきであり、戦闘員の3人に1人は高度な資格、つまり訓練を受けた「戦闘救命士」になる必要がある。パウテツィはカムバック・アライブで、訓練士養成ネットワークと軍隊内の仲間とともに、この夢の実現に取り組んでいる。

アブドゥリンの計画はまだ形になる途上にある。まず軍隊に戻り、できれば特殊な精鋭部隊で自らの実力を証明したいと考えている。だが、パウテツィとは異なり、アブドゥリンは軍の内部から変革を推し進めることができると確信している。「この国を変えたいなら、政府を通す必要がある」と語り、防衛産業の起業家を支援する政府の取り組みである「ブレーブ1」で働きながら、同じ考えを持つ支持者を探している。

現時点では、モヒラ・アカデミー防衛者リーダーシップセンターの共同設立者も、筆者が対談した退役軍人の誰も、ロシアによる侵攻がいつどのように終結するのか、まったく見当がつかない状態にある。しかし、戦争が終結するまで待ってはいるわけにはいかない。戦後に訪れるものの形作りを今から始める必要があるのだ。サブルンは「今はやるべきことが山ほどある」と言う。「この人たちは変革の担い手になりたい。だからここにいるのだ。私たちの使命はここにいる人たちを励まし、必要な手段を提供することだ」

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forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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