マーケット

2025.09.05 11:00

「金髪と青い目」広告で揺れるアメリカン・イーグル株、決算好調で30%急騰

Michael M. Santiago/Getty Images

Michael M. Santiago/Getty Images

米国時間9月4日の取引開始とともにアメリカン・イーグル・アウトフィッターズの株価が急騰した。同社はシドニー・スウィーニーを起用した物議を醸す広告の成功をアピールするとともに、第2四半期決算が市場予想を上回った。

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アメリカン・イーグルの株価は取引開始直後に約30%上昇し、およそ17.70ドルとなった。これは同社株にとって1日の上昇幅としては過去最大だったと考えられる。

3日、アメリカン・イーグルは第2四半期の売上高が12億8000万ドル(約1900億円)、EPS(1株あたりの純利益)が45セントだったと発表した。FactSetがまとめた市場の予想はそれぞれ12億3000万ドル(約1826億円)と20セントだった。

ジェイ・ショッテンスタインCEOは声明で、スウィーニーを起用した最近のマーケティングキャンペーンの成功によって同社は「推進力を得た」と述べ、これから第3四半期を迎える同社では「顧客認知度、エンゲージメント、既存店売上の増加」があったと述べた。

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社長兼エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターのジェニファー・フォイルは3日、投資家に対し、同社は直近の四半期で新規顧客を70万人獲得し、8月を通じてトラフィックが「一貫して好調」だったと説明した。

加えて、アメリカン・イーグルの最高マーケティング責任者(CMO)であるクレイグ・ブロマーズは決算説明会で、同社の『Sydney Sweeney Has Great Jeans』広告キャンペーンは「今後も続く」と述べ、「シドニーは今年後半もチームの一員であり、キャンペーンに新たな要素を取り入れながら進めていく」と付け加えた。

スウィーニーを起用した広告キャンペーンや同社株のミーム化によって直近では急騰するアメリカン・イーグル株だが、年初からの騰落率はマイナス20.4%となっている。

アメリカン・イーグルは同社の第2四半期末に近い7月下旬に『Sydney Sweeney Has Great Jeans』広告キャンペーンを開始した。マーケティング動画の中で、スウィーニーはアメリカン・イーグルのジーンズとデニムジャケットを着用し、発音が似た「jeans」と「genes」の言葉遊びを披露した。そのセリフは「遺伝子(genes)は親から子へと受け継がれ、髪の色や性格、さらには目の色などの特徴を決定することがある。私のジーンズ(jeans)は青い」というものだった。

この広告キャンペーンは、スウィーニーの金髪や青い目を他の特徴より望ましいと暗示しているのではないかとして、優生学を推進しているかのようだとSNSユーザーから反発を受けた。ドナルド・トランプ米大統領はスウィーニーのマーケティングを称賛し、アメリカン・イーグルのジーンズは「飛ぶように売れている」と述べた。同社は声明でこの批判に反論し、この広告キャンペーンは「ジーンズに関するものでしかない」と弁護している。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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