8割超が「候補者を見極めるのが難しい」
面接官として悩みを感じる人は81%に上り、もっとも多かったのは「候補者の能力や適性を正確に見極めるのが難しい」というもの。次いで「候補者の本音や意欲を引き出す質問が難しい」という声が続いた。
【図7】面接官として悩みを感じることはありますか?

【図8】面接官として悩みを感じることがある方に伺います。面接官としての悩みについて、該当するものを教えてください。(複数回答可)

現場からの声には、以下のようなリアルなエピソードが寄せられた。
「入社後3ヵ月以内に退職してしまう方がいたり、面接で聞いたスキルを活かせる業務を依頼したところ『できない』『やったことがない』と言われることがあった」(業種:その他/社員数:30~49名)
「AIによる文章作成が当たり前になり、履歴書の内容と実際の話がかみ合わないことも多い」(商社/100~299名)
「WEB面接では候補者の実態を掴み切れず、実際に対面で会った時に印象が異なるケースがある」(メーカー/100~299名)
「面接官が候補者の緊張を解すことができていないのではと感じる」(金融・コンサル関連/300~999名)
対策は「深掘り質問」と「複数面接」
面接時の対策としてもっとも多かったのは「候補者の回答を深掘りする質問を準備する」(53%)。また「1次面接の動画を共有し、2次面接は最低2名体制で対面実施」「本題前に面接官自身の失敗談を交えて雑談する」など、実務的な工夫もあがった。以下は面接官のリアルな声より抜粋したものだ。
「リファレンスチェックはやったほうが良い。依頼できる人がいない場合、それだけで評価が変わる可能性がある」(IT・情報処理・インターネット関連/10~29名)
「面接ですべてを見極めることはできないので、『この人と働きたいか』だけを考えると、自ずと聞きたいことが見えてくる」(商社/50~99名)
「自己PRを確認するために、別のケースではどう対応するかを必ず聞くようにしている」(メーカー/300~999名)
面接のスキル不足は企業にとって採用ミスマッチのリスクを高めてしまう。AIやオンラインツールの活用が進む中でも、最後に鍵を握るのは面接官の「問いかけ」と「場づくり」の力だ。ただし一般的な面接官研修の多くは、マナーや法令遵守といった形式的な内容にとどまり、候補者を見極める力を十分に養うものではない。
研修では補えないが、実際には次のような要素が不可欠となる。
フィードバックループ:採用後の活躍や離職を追跡し、面接評価とのズレを学び直す仕組み。
心理学的スキル:表情や仕草などから感情を読み取る力。
経験知の体系化:面接官自身が積み重ねた経験を言語化し、次に活かすプロセスづくり。
これらをいかに取り込めるかが、企業の文化や魅力を伝える力と並んで「採用競争力の本質」を左右していくだろう。


