教育

2025.09.09 08:15

ブランド力は不要か、Z世代の大学選びが示す新しい消費行動

かつて大学選びといえば「ネームバリュー」や「偏差値」が重視されがちであったが、いまどきのZ世代は、「自分らしさ」を意識して選択しているようだ。僕と私と株式会社が全国の大学進学を志望するZ世代を対象に実施した「大学選び」に関する意識調査の結果から、その実態が見えてきた。

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まず、大学選びで重視していることについて、「学部・専攻の内容が自分の興味に合っているか」が57.0%でトップとなった。次いで「自宅から通える・立地がよい」が44.7%、「偏差値や大学の知名度・ブランド力が高い」が37.3%と続いており、「ネームバリュー」や「偏差値」より“自分軸”を優先していることがうかがえる。

知名度が高くない大学でも進学したいと思う理由としては、「地元から近く安心して通える」(30.7%)、「学費・生活コストが安い」(30.0%)、「学びたい分野・専攻が明確にある」(29.3%)が横並びだった。今の大きく変えずに、無理なく好きなことを学べる環境であれば、ネームバリューはあまり気にしない傾向にあるようだ。

大学の情報でもっと知りたい情報については、「学び方や評価方法のリアル」が40.7%でトップ。「バイトや生活費のやりくり」が32.0%、「自分に似たタイプの学生が多そうか、なじめそうかどうか」が30.3%と続いている。このように、Z世代は学業だけでなく、リアルな大学生活や人間関係、キャンパスの空気感を重視しており、「自分らしく過ごせるか」が、大学選びのポイントになっているようだ。

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少子高齢化が進み、大学側にとって学生の確保はますます難しくなっている。今後はネームバリューにあぐらをかくことなく、Z世代が興味を引く情報を積極的に発信していくことが、大学の発展にもつながるはずだ。

出典:僕と私と株式会社「Z世代の大学選び調査」より

文=飯島範久

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