鼓動や魂が浮かびあがる、人間モデルとAIモデルとの協演
前半では、美しいドレスから日常に着るウエアや高感度なメガネまで、参加ブランド8社によるファッションショーが開催され、会場のボルテージもヒートアップ。
さらに、ショーのフィナーレでは、「elite Japan」が以前から開発を進めていたAIモデルが今後活躍する、というニュースが発表された。黒田代表は、このAIモデルの発表を「未来への挑戦」と語る。「ステージ上で、人間のモデルとAIモデルが共に歩む事で、人間にしかない鼓動や魂が鮮明に浮かびあがり、リアリティを持って存在感を発揮出来ると考えています」。つまり、AIモデルが「elite Japan」に所属するという新雇用形態によって、リアルなモデルとバーチャルなモデルが交錯する、新しいファッションモデルの可能性が広がった。
「人生の脚本家は自分だ!」演者から勇気を享受された一夜
エネルギッシュなミュージック&ダンスショーからスタートした後半では、エンターテイメント感に溢れたステージが炸裂。とりわけ注目を集めたのは、医師としてではなく、ヴァイオリニストとして登壇した「東京美容外科」の麻生泰院長。プロ演者のSHOGO氏とコラボレートし、美しいハーモニーを奏でた。
麻生院長は、「本日、プロのヴァイオリニストでない私が、このような晴れがましいステージに呼んでいただけて、感慨深い気持ちでいっぱいです。『人は何歳でもやり直せるんだ』という事を本日、皆様にお伝えしたくて、やって参りました。実は自分自身、幼少期に挫折したヴァイオリンを45歳で再び挑戦して、何とか演奏を聴いていただけるまでになりました。つまり、何かを始めるにあたり、年齢は関係ないんだ!とお伝えしたかったのです」と語った。
シークレットゲストとしてアンミカ氏を迎えたトークショーでは、「パリコレでも本日のコレクションでも改めて感じたのは、『ファッションって素晴らしい!』という想いです。ファッションというと、華やさだけがフィーチャーされがちですが、人と人とを繋ぐコミュニケーションツールにもなり得ます。私は先日、何年か振りにパリコレのモデルとして歩いたランウェイで、これまでの色々な想いが交錯しました。最近のパリコレでは、60年代70年代に活躍したモデルが再び脚光を浴びていますが、ファッションを通じて『人生の脚本家は自分自身なのだ』という想いを実感しています」と、率直な体験談も。
「美しさに境界はない」を指南するelite Japanの未来予報図
多様化の定義や日進月歩で進化するAIの台頭がめまぐるしい現在、「elite Japan Fashion Show」では、今回のイベントを通して、世界に対して3つのメッセージを発信した。①多様性のあるモデルを起用する意味。②業界で先陣を切って開発しているAIモデルの発表。③年齢や境遇に諦める事なく挑戦する勇気の尊さ。これらは、モデルエージェンシーの枠を超えた社会的なチャレンジに他ならない。
一方、日本に上陸して2年目を迎えた「elite Japan」が盛況で終えたこのイベントからは、多くの課題点も派生した。「この広い世界で、国籍や性別や障害を持つ人々との共存は、今後どのように広がっていくのだろうか?」また、「AIモデルの参画で、テクノロジーとファッションとの進化が、どのように受け入れられ、融合していくのだろうか?」
これらの課題のアンサーは、日本上陸後、躍進を続ける「elite Japan」から、今後も発信され続けていく事だろう。人と人が交わり、思いもかけない化学反応が生まれるモデル業界の未来に目が離せない。


