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2025.09.05 18:00

集中力を回復させる「マインドフルネス瞑想」、心理学者が明かす「3つのポイント」

humanmade / Getty Images

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心が常にさまよっていて、集中しようとすればするほどストレスがたまる、という経験はないだろうか。もしあるなら、それはあなただけではない。

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今日、多くの人が集中するのに苦労している。集中力を取り戻そうとするときに生じる大きな問題は、注意力を高めるためのほとんどの戦略が時にストレスを増やしてしまい裏目に出ることだ。

専門誌『Nature Communications(ネイチャー・コミュニケーションズ)』に2019年に掲載された研究では、現代において情報が生み出されて消費される方法がこの問題の深刻化に大きく寄与していることが示されている。

ニュースの更新が頻繁にスマホに通知され、SNSがリアルタイムで感情的な反応を増幅することで私たちの注意は断片化し、長く持たないようになっている。

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人気のトピックがかつてないほど速く盛り上がって消えていくのは今やごく普通のことだ。私たちの限られた注意が同時に多くの方向に引き寄せられて集中のサイクルが短くなっているからだ。

これを改善する効果的な方法の1つが「マインドフルネス瞑想」だ。そして、これは単なる健康法の決まり文句ではない。

マインドフルネス瞑想は、仏教の瞑想法をベースにした「今この瞬間に意識を向ける」実践方法を指す。今この瞬間の感覚・思考・感情に気づくことや、評価や判断を加えず「ただ観察する」態度が基本となっている。

2025年の研究では、マインドフルネス瞑想が注意力と身体の覚醒の両方にどのような影響を与えるかを調べている。研究チームは、脳波を使ってアルファ脳波活動の変化を測定し、覚醒の指標として皮膚コンダクタンスレベル(SCL)を測定した。

研究では参加者にマインドフルネス瞑想のセッションを受けてもらい、安静時の状態と比較した。また、定期的な瞑想の実践が時間と共に測定値に違いをもたらすかどうかも調べた。

その目的は、マインドフルネスの効果が注意のプロセスによるものなのか、それとも覚醒の変化によるものなのかを、神経マーカーと生理学的マーカーを組み合わせて知ることだった。

そこでここでは、この2025年の研究から3つの発見を紹介しよう。マインドフルネス瞑想が集中力を取り戻す上で効果的な方法であることを強く示すものだ。

次ページ > 1. 注意を散らすものを無視するよう脳を訓練する

翻訳=溝口慈子

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