劇的な天体現象が目白押しの9月が始まった。大規模なオーロラが発生しやすくなり、惑星や天体の接近も数多く見られる。また「ブラッドムーン(血色の月)」と呼ばれる壮大な皆既月食も起こる。秋分の日を迎えて昼の時間は短くなり、宵のうちから星空観察を楽しめる。季節の移り変わりとともに夜空を飾る星座も変化し、見ごたえは十分だ。2025年9月の夜空の見どころをまとめた。
1. 「秋のひとつ星」
時期:9月いっぱい
方角:南の夜空
「秋のひとつ星」の異名をとる1等星フォーマルハウトは、みなみのうお座で最も明るい星。北半球の中緯度地域では、秋にのみ見える星だ。南の低空に位置するため、南側に光源がなく視界の開けた場所で探そう。
2. 「コーンムーン」の満月と皆既月食
日時:2025年9月8日(月)の未明
方角:南西~西
今年の9月の満月は、米先住民の農事暦で「コーンムーン(トウモロコシ月)」と呼ばれる。「ハーベストムーン(収穫月)」と呼称されることもあるが、これは秋分の日に最も近い満月を指し、今年は10月の満月に当たるので該当しない。
日本全国とアジア、オーストラリア、太平洋の一部では皆既月食が見られる。日本では7日夕方に昇った満月が、日付の変わった8日午前1時27分に欠け始め、2時30分頃から3時53分まで皆既食となる。
3. 「ペガススの大四辺形」
時期:今月いっぱい、暗くなってから
方角:東の空
「ペガススの大四辺形」または「秋の四辺形」は、秋の夜空の代名詞といえるアステリズム(星群)だ。暗くなってから東の空を見上げると、四角く並んだ4つの星がある。他に明るい星がないので、都会の空でも見つけやすい。これらはペガスス座の「マルカブ」「シェアト」「アルゲニブ」とアンドロメダ座の「アルフェラッツ」で、秋の訪れと秋分の日が近づいていることを知らせる星の並びである。



