パートナーに会うのを1日中心待ちにし、どんな楽しいことをして過ごそうかと胸を高鳴らせていたのに、2人でソファに座った瞬間に相手が眠ってしまったという経験はないだろうか。これは恋愛関係において最もよくある経験の1つかもしれないが、同時に最も不可解な経験の1つでもある。
そうした相手の行為をあまり気にしない人もいるかもしれない。大変な1日を過ごして疲れ果て、休息がどうしても必要なのだろうと推測する。また、自分もついウトウトしてしまったことがある人ならなおさら理解を示すかもしれない。
だが、もしあなたがこのような居眠りをよくするのであれば、相手はイライラし始めるかもしれない。本当に自分と同じように一緒に過ごすことを楽しみにしていたのだろうか、さらには自分が相手を退屈させて眠らせてしまっているのではないだろうか、とパートナーは疑い始めることもあり得る。
だが驚くべきことに、専門誌『Sleep Science(スリープ・サイエンス)』に2022年に掲載された研究は、そうではなくパートナーの眠気は実はあなたへの愛を示す隠れたサインかもしれないことを示唆している。
研究が示すその理由は以下の通りだ。
愛と睡眠の科学
前述の研究は、睡眠パターンと恋愛関係の関係を包括的に探ることを目的に行われた。対象は成人約800人で、全員恋愛関係や性的関係を持っていた。揺るぎない長期的な関係を築いている人もいれば、もっとカジュアルな関係にある人、たまに関係を持つだけの人もいた。
研究チームは研究参加者がどのような関係を持っているかに加えて、関係の満足度と質に関するさまざまな核心的な要素も調べた。具体的には、感情面での親密さや性行為、性的満足度のレベルを測定した。
次に研究チームは、睡眠科学において最も重要な2つの指標に焦点を当てることにした。睡眠潜時(入眠までにかかる時間のこと)と睡眠の質(睡眠がどれだけ元気を回復させるもので、途中で目を覚ますことがないか)だ。
参加者のデータを比較した結果、感情的に満足のいく安定した関係を築いていると回答した人は、夜眠りにつくのにそれほど苦労していないことがはっきりと示された。
眠りに落ちるのにかかる時間が短いだけでなく、睡眠の質も高かった。確たる関係を築いておらず、さほど関係に満足していないカップルに比べて、寝つきや目覚めの悪さを経験することがはるかに少なく、朝にはかなりの爽快感を持って目覚めていた。



