クラゲは起点に過ぎず——
現在はレストランなど商業施設向けクラゲ水槽レンタルのサブスクリプションなど、事業の多角化も進めている。将来的にクラゲでどういった展開を考えているのか尋ねると、意外な答えが返ってきた。
「クラゲは私にとってスタート地点に過ぎないんです。本当にやりたいのは、地球の水をきれいにすること。水槽という小さな世界を整える技術は、もっと大きなスケールで地球の水環境の改善にも役立てるはずだと思っています」
クラゲの養殖で身につけた知識や技術を、川や海などもっと大きな水の世界にも応用していくため、ろ過装置の開発も進めている。さらに、自分のクラゲ養殖場を「研究の場」として、世界中の研究者が集まれる場所にしたいという。
「今まで自分が好きなこと、楽しいと思うことをやってきただけですし、これからもそれは変わりません。好きなことをし続けた先に、社会に良いインパクトを残せたらと考えています」
こう話す彼の胸には、研究者としての揺るがない探究心と、起業家としての熱い想いがある。クラゲとともに歩み始めた挑戦は、これからも続いていく。
堀江知子(ほりえ・ともこ)◎香港在住のインタビューライター。東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒業。民放キー局で15年以上にわたり、アメリカ政治や国際情勢の取材に携わる。2022年からはアフリカ・タンザニアに拠点を移し、フリーランスとして独立。現在は香港を拠点に、グローバルに活躍する日本人の姿や、現地発のレポートを国内外のメディアに届けている。著書に『40代からの人生が楽しくなる タンザニアのすごい思考法(Kindle版)』がある。


