ハードワーク
コーンによると、素粒子物理学者、原子核理論学者、観測天体物理学者は皆、リチウム7の理論予測より少ない量しか観測されていない問題を解決しようと、これまで数十年にわたり身を粉にして研究に取り組んできた。
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恒星によって減少するリチウムの量がどれくらいかを理解することが重要だと、コーンは指摘する。なぜなら、そうして初めて未解決の宇宙論的リチウム問題に科学的に対処できるからだという。
将来の観測計画
天文学誌Experimental Astronomyに掲載された2021年の論文によると、星震（恒星の振動）を観測して内部を調べることを目的とする欧州宇宙機関（ESA）の探査計画「HAYDN（High precision AsteroseismologY of DeNse stellar fields）」の宇宙測光望遠鏡が2050年までに打ち上げられる見通しだ。打ち上げ後の観測対象は、銀河系と近傍の矮小銀河にある金属欠乏球状星団の恒星になる。
HAYDNは、大マゼラン雲や小マゼラン雲のような近傍の矮小銀河や銀河系におけるリチウムの実際の存在量を、星震学と呼ばれるプロセスを通してより詳細に理解するために不可欠な探査計画だ。星震学では、恒星内部を調査するために恒星の振動（文字通り恒星内部の地震波）を利用する。
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HAYDNの宇宙望遠鏡で得られる観測データは、恒星内部で破壊されているリチウム7の量がどのくらいかに対して理論天文学者がより適切な制約を加える助けになると、コーンは指摘している。
恒星による解決？
リチウム問題の少なくとも一部、もしくはかなりの部分は恒星の問題だとする説を自分は支持していると、コーンは述べている。それでも難しい問題であることに変わりはないと、コーンは続けた。
