音楽

2025.08.31 18:00

英国音楽界のレジェンド、ポール・ウェラーが新作カバーアルバムについて語る

英国音楽界のレジェンド、ポール・ウェラー。2024年ロンドンにて(Fred Duval / Shutterstock.com)

英国音楽界のレジェンド、ポール・ウェラー。2024年ロンドンにて(Fred Duval / Shutterstock.com)

英国の伝説的なアーティスト、ポール・ウェラーにとって、今年は穏やかな年になるはずだった。コンサートツアーも行わず、新作アルバムのために作曲もしていない。そのため、ウェラーには「やりたいことリスト」に挙がっていることに取り組むための自由な時間があった。

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ウェラーの「やりたいことリスト」の一番最初に挙げられていたことは、彼が称賛し尊敬するアーティストの曲をカバーした作品を集めたアルバムを制作することだった。そして、リッチー・ヘブンス、キンクス、ビージーズなどの曲をウェラー自身が再構築したカバーアルバム『Find El Dorado』が出来上がった。この「愛から生まれた作品」には、ウェラーが元レッド・ツェッペリンのシンガー、ロバート・プラントと初めて一緒にレコーディングした「Clive’s Song」が収録されているほか、オアシスのノエル・ギャラガーなども参加している。

この新作カバーアルバムのことなどについてウェラーから話を聞いた。

──アルバムの発売、おめでとうございます。あなたが収録されている曲を愛していることが明瞭に感じられ、その率直さがとても素敵なアルバムだと思いました。

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ポール・ウェラー:そうだね。中には人々にあまり知られていない曲もあるけれど、このアルバムが原曲に対する関心を引き起こすきっかけになることを願っているよ。素晴らしい曲のコレクションだ。レコーディングに入る前、曲を選んで、順番を決めたんだけど、素晴らしいコンピレーションアルバムのようだと思った。ちょっとしたミックステープ(お気に入りの曲を集めて編集したカセットテープ)のようでもあるね。

──これらの曲の大部分は、あなたがずっと前から親しんでいたものではないかと思うのですが。違いますか?

ウェラー:ああ、いくつかの曲はそうだ。「When You Are A King」や「I Started A Joke」あたりの曲が最も古いものではないかと思う。私が子どもの頃、10歳とか11歳とかそのくらいの時代にヒットしたポップソングだ。これら2曲はずっと大好きだった。それからアルバムの1曲目、リッチー・ヘブンスの「Handouts in the Rain」は、2002年にリリースされた彼の『Wishing Well』というアルバムに収録されている曲で、他の人にとっては古いかもしれないけれど、私にとっては比較的新しい。これらの曲は、この2、3年の間に人々が私に送ってくれたり演奏して聴かせてくれた。そのような曲を覚えておいて、頭の中に漠然とある「いつか演ってみたい曲リスト」に集めているんだ。今年は都合がよかった。ツアーも行っていないし、新作アルバムのための曲も書いていないからだ。1年ほどちょっと休んでいたので、カバーアルバムを作るのに良いタイミングだと思った。しかし、これについては4年とか5年くらい、だいぶ前から考えていたことなんだ。

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翻訳=日下部博一

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