──今回の制作はとても楽しかったのではないかと思います。なぜなら、これはあなたにとって純粋に愛情から生まれた作品であり、思い出のある曲ばかりでしょうから。
ウェラー:それはいくつかの曲だけだよ。さっき言った60年代後半の曲だけだ。他の曲は最近耳にしたものだから。最近というのは過去10年とか12年とか15年の間という意味だけどね。だから私にとって特に個人的な思い出があるわけではない。素晴らしい曲だと思っただけだ。ある時代に戻るような気分になるとか、そういうことはない。単に音楽として聴いているだけだ。
──いくつかあなたが選んだ曲とその理由について語ってくれませんか。例えば、ザ・キンクスの「Nobody’s Fool」はどのように決めたのですか?
ウェラー:レイ(・デイヴィス)の曲には好きなものがたくさんある。言うまでもないことだけど。特に1964年から1971年の時期に書かれた曲は全部大好きだ。私にとってクラシックばかりだ。しかし、「Waterloo Sunset」はどうだろう? どこか変更したり異なるアレンジにできると思うかい? 「Nobody’s Fool」はレイ・デイヴィスの素晴らしい曲だけれど、あまり知られていないから選んだ。この曲は70年代はじめ、71年に放映されたTVシリーズ「Budgie」のテーマ曲だった。ただ、このテーマ曲はレイが歌っているわけではない。しかし、ずっとレイ・デイヴィスの曲みたいだなと思っていた。当時は誰の曲だか知らなかった。何年か経ってからボックスセットか何かでリリースされたんじゃなかったかな。とにかく、レイが歌っているデモ音源があって、それは彼がピアノで弾き語りしているだけなんだけど、我々はTVで流れていたものではなく、こちらをヒントにした。


