アート

2025.09.08 14:15

アートと美意識と経営 AI時代により求められる力とは

『ART & BUSINESS EXECUTIVE GATHERING supported by THE MACALLANの様子

『ART & BUSINESS EXECUTIVE GATHERING supported by THE MACALLANの様子

「ART & BUSINESS PROJECT」を立ち上げて数年、Forbes JAPANはアートとビジネスの共創や文化と経済の循環に向き合い、アーティストと起業家に共通する精神を探り続けてきた。この歩みをさらに深化させ、同じ領域に関心を寄せる仲間をつなぐ場として、8月5日、『ART & BUSINESS EXECUTIVE GATHERING supported by THE MACALLAN』を開催した。

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会場は、ロスコ・ルームの移設計画で注目される国際文化会館。そこでまず、同日に公募開始となった経済産業省との「ART & BUSINESS AWARD」について発表。また、昨年に続き“アートを軸に未来社会を考える”都市型カンファレンスイベント「FUTURE VISION SUMMIT」(主催:FUTURE VISION SUMMIT 実行委員会)の開催も周知された。

アート&ビジネスに携わるエグゼクティブや企業経営者、アート関係者の交流を促したのは、イベントスポンサーとなった「ザ・マッカラン」。シェリーオーク 12年を手に、ブランドアンバサダーGaku氏による乾杯の発声で、一夜限りのセッションが開幕した。

会半ばに設けられたトークセッションでは、日本を代表するアートコレクターで大林組取締役会長の大林剛郎氏、ベンチャーキャピタルUntroD Capital Japan代表取締役社長の永田暁彦氏、Tokyo Gendaiフェアディレクターの高根枝里氏が登壇。三者三様の視点で「アートと経営」について語られた。

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──まずみなさんとアートと関わりについて、経営との接点などにも触れながらお話をお聞かせください。

大林:登壇者の年長者として申し上げたいのは、アートには心を若く保ち続ける力があるということ。今(会場スクリーンで)ご覧いただいているのはジェームズ・タレルの作品。ベネッセアートサイト直島で安藤忠雄先生とタレルが共同制作したプロジェクトを見たとき、ちょうど自宅を建てていたこともあり作品を依頼しましたが、当時は実現しませんでした。

アリゾナの「ローデン・クレーター」や越後妻有の「光の館」などタレルの作品を追い続け、出会いから数十年越しの今年、ようやく作品を迎えることができました。私にとってアートは、アーティストとの出会いだと実感しています。

永田:私の場合は、18歳のときにデザインフェスで3000円の絵を買ったのがアートコレクションの始まりです。三代続く華道の家系に育ち、20年以上華道を続けていますが、経営者はサイエンスと人文科学を両手に持つことが大事だと思っています。

ユーグレナ時代には、サイエンティストに物事を伝えるときにアートがいかに役立つかを体験しました。現在は次世代のサイエンティストに投資するファンドを運営していますが、アートディレクターをチームに迎えることで、時価総額や資金調達の成果が大きく変わることを目の当たりにしています。

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文=藤野淑恵

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