アップル株はS&P500種株価指数よりも好調な10年間を過ごしてきた。具体的には、アップル株は平均して年率24%上昇しており、これはS&P500を約11ポイント上回る成績である。その理由は5つある。
・強力な製品エコシステム:アップルはハードウェア、ソフトウェア、サービス(App Store、Apple Music、Apple Payなど)のエコシステムを中心に、強力で忠実な顧客基盤を築いている。このエコシステムはリピート購入を促進し、解約率を低下させている。
・イノベーションとブランド認知:アップルは一貫して革新的な製品を投入し、強力なブランドイメージを維持している。このブランド力により、同社は高価格を維持し、高い利益率を確保している。
・サービスビジネスの成長:アップルのサービスビジネスは大きく成長し、収益の多角化と収益性向上に貢献している。
・株主への一貫した還元:アップルは配当や自社株買いを通じて株主に資本を還元してきた歴史があり、魅力的な投資先となっている。
・適応力とレジリエンス(回復力):アップルは困難に直面してきたが、市場環境の変化に適応し、障害を克服する能力を示してきた。
本稿では、この10年間でアップル株がどれだけ上昇したのか、主要な企業マイルストーン、株式分割や配当がS&P500との比較で投資家リターンに与えた影響、10年前に1万ドル(約147万円)をアップルに投資していたら現在どのような価値になっているのか、そして最後に、この考察から分かる長期投資家への教訓について紹介しよう。



