北米

2025.08.29 11:30

「古き良き時代の米国」テーマの米レストランチェーンがロゴ変更、保守派の怒りを買い炎上

Bruce VanLoon / Shutterstock.com

クラッカー・バレルの新たなブランドイメージに対する反発の多くは、保守的な文化戦争の闘士たちを発生源としており、彼らは新ロゴを「ウォーク(woke:多様性などを重視する進歩的な左派思想を指す蔑称)」的だと決めつけている。右派的な思想を持つ多くのアカウントが結束して、ロゴ変更に抗議の声をあげている。これは、企業のブランド刷新を、政治的な観点から見る動きだ。

advertisement

反発が巻き起こる中、フロリダ州選出で親トランプ派として知られるバイロン・ドナルズ下院議員が、新ロゴを批判するXへの投稿の中で、意外な告白をする一幕もあった。彼はかつてクラッカー・バレルの店舗の駐車場で、「人生をキリストに捧げる」と誓ったことがあるという。

advertisement

この文化戦争は、「温め直した残り物」のように、再三蒸し返されている。おそらくは、単にこの争いに参加したいがために、この件に真剣に憤っているふりをしている者も多いのではないか、という疑いも禁じ得ない。

トランプ大統領再選のあとには、一部の論客が、「ウォークに対する勝利」を宣言していた(7月に放映されたアニメシリーズ『サウスパーク』のあるエピソードでは、この動きが皮肉られていた)。だが、保守派が怒りをぶつける対象を表現するためには、「ウォーク」という言葉がカムバックを果たさないといけないようだ。

この「ウォーク」という言葉は、乱用されている上に、意味が曖昧で、定義が難しいことでもよく知られている。面白みに欠ける企業のロゴまでもが「ウォーク」呼ばわりされるに至っては、今やこの単語は純粋な抽象概念にまで高められたように見える。

一方で、ロゴ変更に憤る者たちは、情け容赦ない嘲笑の対象にもなっている。

次ページ > ロゴ変更を巡る、さまざまな視点

翻訳=長谷睦/ガリレオ

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事