少数精鋭主義―。これほどこの言葉が似合うベンチャー投資会社は、ほかにないだろう。
投資先は、イーベイにツイッター、そしてウーバー……。たった5人の「ベンチマーク・キャピタル」は、シリコンバレー発で世界を劇的に革新する数々の企業に投資してきた。
多くの投資会社が営業職や調査員、デザイナーなどを揃えるなか、片手で収まる社員しかいない同社は異彩を放つ。しかも、彼らの立場は等しく、利益は等分される。いうなれば、「全員がCEO」だ。
「僕らはマーチングバンドというよりも、ジャズバンドみたいなものだね」と、同社のピーター・フェントン(写真中央)は語る。
もちろん、小さな会社ゆえの難点もある。逃がした魚には、グーグルなどの大物も。しかし、“釣果”を見れば、その能力は一目瞭然。
過去10年、ベンチマークのファンドは226億ドル(約2兆7,120億円)を出資者に還元し、投資先が得た利益は10倍も増えている。
そう、“5人”で十分なのだ。