30U30

2025.09.03 11:15

京大松尾研発が目指す。製造業における「AI活用のハブ」(下野祐太):30UNDER30

下野祐太|エムニ 代表取締役

下野祐太|エムニ 代表取締役

2025年8月25日発売のForbes JAPAN10月号は「30 UNDER 30」特集。30歳未満の次世代をけん引する若い才能に光を当てるアワードで、米『Forbes』が11年より開催し、世界的に注力している企画だ。北米版のほか、欧州版、アジア版、アフリカ版など81カ国・地域を対象に開催し、世界規模へと成長している。『Forbes JAPAN』でも18年より開催し、7年間で総計300人を選出してきた。これまでの受賞者は、ロサンゼルス・ドジャースで活躍する大谷翔平、ボクシング世界4階級制覇王者の井上尚弥、世界的ピアニストの反田恭平、起業家の坪井俊輔(サグリ)など、世界を舞台に活躍するチェンジメーカーたちだ。気候変動、地政学的緊張、デジタル格差など世界的課題があるなかで、今年の受賞者たちも各々が「自分が思うより良い未来」を目指す30人だ。彼ら彼女らが想像し創造していく「新しい社会、新しい経済」から見えてくるものこそが日本の未来の希望になる。

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「AIで働く環境を幸せに、世界にワクワクを」。2023年、京都大学大学院に籍を置いていた下野祐太は、製造業のAI活用支援に特化したエムニを立ち上げた。 社名の由来は修士2年生を意味する「M2」。起業を決断した当時の覚悟を忘れないようにするためだ。

エムニは製造業向けにオーダーメイドのAIソリューションを手がけるほか、技能伝承や業務効率化を支援する汎用的なSaaSプロダクトを開発。社内に埋もれた暗黙知をAIとの対話で掘り起こし企業の集合知へと変える「AIインタビュアー」が代表例だ。創業から2年弱ながら、住友電工やデンソーなど大手製造業を中心に数十社のAI活用を後押ししてきた。

下野の礎となっているのが、松尾研究所での修行期間だ。同社は日本のAI研究の第一人者・松尾豊教授の研究室などの研究成果を社会に実装する役割を担う。下野はそこで3年間にわたり製造業向けのプロジェクトを担当した。

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エムニの特徴のひとつである「無料爆速デモ開発」も当時の学びが大きい。同社では最初に他社が数百万円かけて開発するような高精度の“デモ版”を無料で開発。AI活用に慣れていない製造業の現場では「実際に動くものがあることで、高い解像度での議論が可能になる」からだ。製造業に特化しつくり上げてきた開発基盤と、東大や京大に通う若い学生開発者のチームがこの仕組みを支えている。

目標は2030年までに「製造業におけるAI活用のハブ」になること。「お客様に何か困りごとが生じた際、相談相手として最初に想起される企業を目指す」。

世界を変えうる30歳未満にフォーカスする企画「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」、8年目となる今年は30人を選出。これからの未来をつくる彼ら・彼女らが描く「希望」と「新しい未来」へ、ようこそ!

【30 UNDER 30 特集号が現在発売中 / 受賞者一覧を特設サイトにて公開中


しもの・ゆうた◎1999年、大阪府生まれ。京都大学大学院エネルギー科学研究科応用科学専攻に在学中、松尾研究所にて製造業向けのAI社会実装に3年間従事。エムニでは経 営を行う傍ら、自ら営業活動やデモ開発等のコーディング・マネジメント等も担当する。

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文=大崎真澄 写真=帆足宗洋(AVGVST) スタイリング=鹿野巧真 ヘアメイク=MIKAMI YASUHIRO

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「30 UNDER 30」2025

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